2017年4月 - 2020年3月
肉用鶏における骨格筋量の個体差を支配する要因の解明と鶏肉生産への応用
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
長期的な飼料穀物の需給のひっ迫が懸念される状況下で、ブロイラーや地鶏などの肉用鶏の生産には、産肉性や飼料効率の向上が求められている。一方、生産現場では、肉用鶏の成長(体重や骨格筋の増加量)に大きな個体差が生じている。肉用鶏の体重や骨格筋量の個体差を最小化し、斉一性を高めることで産肉性と飼料効率の改善が可能となるが、個体差が生じる原因は不明である。
アドレナリンは、副腎から分泌されるホルモンであり、骨格筋では主にβ2アドレナリン受容体(β2-AR)によって作用が伝達され、骨格筋間に現れるアドレナリンの作用の差異はβ2-ARの発現量に依存する。これらの情報から、同じ骨格筋(例えば浅胸筋)においても個体ごとにβ2-ARの発現量が異なれば、アドレナリンに対するβ2-ARシグナルの作用強度が異なる可能性が考えられる。本研究は、肉用鶏の体重・骨格筋量の個体差に対するβ2アドレナリン受容体の関連を明らかにし、鶏肉生産技術へ応用するための基盤情報を得ることを目的とする。
本年度では、ニワトリβ2-ARの遺伝子配列からβ2-ARの特異的抗体を作製し、増体が遅い群と速い群のβ2-ARタンパク質の発現解析を調べた。加えて、環境要因によるβ2-AR発現量の個体差の原因を解明するため、本年度は、環境要因として飼料摂取量に注目し、群飼育条件下における成長が早い群と遅い群の飼料摂取量を比較し、続いて、飼料摂取量と骨格筋のβ2-AR発現量との関連性を調べた。
アドレナリンは、副腎から分泌されるホルモンであり、骨格筋では主にβ2アドレナリン受容体(β2-AR)によって作用が伝達され、骨格筋間に現れるアドレナリンの作用の差異はβ2-ARの発現量に依存する。これらの情報から、同じ骨格筋(例えば浅胸筋)においても個体ごとにβ2-ARの発現量が異なれば、アドレナリンに対するβ2-ARシグナルの作用強度が異なる可能性が考えられる。本研究は、肉用鶏の体重・骨格筋量の個体差に対するβ2アドレナリン受容体の関連を明らかにし、鶏肉生産技術へ応用するための基盤情報を得ることを目的とする。
本年度では、ニワトリβ2-ARの遺伝子配列からβ2-ARの特異的抗体を作製し、増体が遅い群と速い群のβ2-ARタンパク質の発現解析を調べた。加えて、環境要因によるβ2-AR発現量の個体差の原因を解明するため、本年度は、環境要因として飼料摂取量に注目し、群飼育条件下における成長が早い群と遅い群の飼料摂取量を比較し、続いて、飼料摂取量と骨格筋のβ2-AR発現量との関連性を調べた。
- ID情報
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- 課題番号 : 17J02494
- 体系的課題番号 : JP17J02494