2018年6月 - 2023年3月
負ミュオンビームによる原子分子物理の精密検証と宇宙物理観測への展開
日本学術振興会 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型) 新学術領域研究(研究領域提案型)
原子に負ミュオンが捕獲されると、負ミュオンと原子核から構成されるミュオン原子が孤立して生成される。ミュオン原子では束縛負ミュオンが原子核正電荷に起因する超強電場に晒される。よってミュオンエネルギー準位は、極限条件下での量子電磁力学効果を探求する理想のプローブである。 J-PARC において供給される高強度低速大強度負ミュオンビームと高分解能TES型超伝導X線検出器などの最先端検出器を組み合わせることにより、広帯域にわたる従来の精度を遥かに凌駕するミュオン特性X線精密分光計測を実現することを目指している。
本課題採択後、H30年6月のJ-PARC 一般課題申請を行い、高い評価を得て採択が決定された。これによってビームタイムがH31年度 4月に配分された。そこで、H30年度は実験をスムースに立ち上げるべく関連する準備を着実に進めた。供給される負ミュオンビームのエネルギー、その幅、さらに角度分布に依存して実際にガス中で負ミュオンが止まる位置が変化する。これを最適化し、加えてチェンバー壁等で発生するX線バックグラウンドを低減化するために、ビームライン出口の収束磁石条件と低ガス圧の試料標的を保持するためのガスチェンバーチェンバーを組み合わせたコンピューターシミュレーションを実施した。これにより最終的な磁場条件とガスチェンバー設計を終えた。さらに、現有の200ピクセル多素子TES型超伝導X線検出器や、Si半導体検出器、CdTe検出器など様々な検出器を設置できる導入部を用意した。
また、当初H31年度以降に購入する予定だった断熱消磁冷凍機や多重化読出回路を今年度購入した。これにより予定していた30keVや100keVといった高エネルギーX線を対象とする検出器開発を前倒して行うことにより、早期に振動・電気ノイズなどの問題点を洗い出し、この問題点を十分に対処できる時間を設けることが可能となった。
本課題採択後、H30年6月のJ-PARC 一般課題申請を行い、高い評価を得て採択が決定された。これによってビームタイムがH31年度 4月に配分された。そこで、H30年度は実験をスムースに立ち上げるべく関連する準備を着実に進めた。供給される負ミュオンビームのエネルギー、その幅、さらに角度分布に依存して実際にガス中で負ミュオンが止まる位置が変化する。これを最適化し、加えてチェンバー壁等で発生するX線バックグラウンドを低減化するために、ビームライン出口の収束磁石条件と低ガス圧の試料標的を保持するためのガスチェンバーチェンバーを組み合わせたコンピューターシミュレーションを実施した。これにより最終的な磁場条件とガスチェンバー設計を終えた。さらに、現有の200ピクセル多素子TES型超伝導X線検出器や、Si半導体検出器、CdTe検出器など様々な検出器を設置できる導入部を用意した。
また、当初H31年度以降に購入する予定だった断熱消磁冷凍機や多重化読出回路を今年度購入した。これにより予定していた30keVや100keVといった高エネルギーX線を対象とする検出器開発を前倒して行うことにより、早期に振動・電気ノイズなどの問題点を洗い出し、この問題点を十分に対処できる時間を設けることが可能となった。
- ID情報
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- 課題番号 : 18H05458
- 体系的番号 : JP18H05458
この研究課題の成果一覧
絞り込み
論文
2-
Physical Review Letters 130(17) 2023年4月27日 査読有り責任著者
-
Physical Review Letters 126(17) 173001 2021年4月29日 査読有り
講演・口頭発表等
5-
Workshop for muon elemental analysis research 2023: Day2 2023年4月27日 招待有り
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HCI2022 (20th International Conference on the Physics of Highly Charged Ions) 2022年9月2日 招待有り
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新学術領域研究「宇宙観測検出器と量子ビームの出会い。新たな応用への架け橋。」 領域研究会 2022年5月20日
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TGSW2021 - Universe Evolution and Matter Origin 2021年9月11日 招待有り
-
High precision X-ray measurements 2021 2021年6月8日 招待有り
メディア報道
1-
朝日新聞 先端人 2021年9月19日 新聞・雑誌