共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年6月 - 2023年3月

負ミュオンビームによる原子分子物理の精密検証と宇宙物理観測への展開

日本学術振興会  科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)  新学術領域研究(研究領域提案型)

課題番号
18H05458
体系的課題番号
JP18H05458
配分額
(総額)
174,330,000円
(直接経費)
134,100,000円
(間接経費)
40,230,000円

原子に負ミュオンが捕獲されると、負ミュオンと原子核から構成されるミュオン原子が孤立して生成される。ミュオン原子では束縛負ミュオンが原子核正電荷に起因する超強電場に晒される。よってミュオンエネルギー準位は、極限条件下での量子電磁力学効果を探求する理想のプローブである。 J-PARC において供給される高強度低速大強度負ミュオンビームと高分解能TES型超伝導X線検出器などの最先端検出器を組み合わせることにより、広帯域にわたる従来の精度を遥かに凌駕するミュオン特性X線精密分光計測を実現することを目指している。
本課題採択後、H30年6月のJ-PARC 一般課題申請を行い、高い評価を得て採択が決定された。これによってビームタイムがH31年度 4月に配分された。そこで、H30年度は実験をスムースに立ち上げるべく関連する準備を着実に進めた。供給される負ミュオンビームのエネルギー、その幅、さらに角度分布に依存して実際にガス中で負ミュオンが止まる位置が変化する。これを最適化し、加えてチェンバー壁等で発生するX線バックグラウンドを低減化するために、ビームライン出口の収束磁石条件と低ガス圧の試料標的を保持するためのガスチェンバーチェンバーを組み合わせたコンピューターシミュレーションを実施した。これにより最終的な磁場条件とガスチェンバー設計を終えた。さらに、現有の200ピクセル多素子TES型超伝導X線検出器や、Si半導体検出器、CdTe検出器など様々な検出器を設置できる導入部を用意した。
また、当初H31年度以降に購入する予定だった断熱消磁冷凍機や多重化読出回路を今年度購入した。これにより予定していた30keVや100keVといった高エネルギーX線を対象とする検出器開発を前倒して行うことにより、早期に振動・電気ノイズなどの問題点を洗い出し、この問題点を十分に対処できる時間を設けることが可能となった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PLANNED-18H05458
ID情報
  • 課題番号 : 18H05458
  • 体系的課題番号 : JP18H05458

この研究課題の成果一覧

論文

  2

講演・口頭発表等

  5

メディア報道

  1