共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2024年3月

大局的エントロピー予測によるデータ圧縮の最適化技法の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
20H04152
体系的課題番号
JP20H04152
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
17,420,000円
(直接経費)
13,400,000円
(間接経費)
4,020,000円

本年度は、データストリームの局所エントロピーの数値化技法の開発を実施した。この研究目標の中心は、局所エントロピーを圧縮の制御情報から数値化する技法を確立することであった。実験的に、データのエントロピーを既存のLCA-DLTで計測する方法を模索し、データストリームの局所エントロピーを数値化できる手法を開発した。また、その数値がどのように求められるかを様々な数式を試行し、その原理を解明できた。その原理に対し、数学的証明を与え、その制御情報でデータの複雑さを表現する技法を開発できた。以上のデータストリームの局所エントロピーを計測する手法を用いて、新たなストリームデータ圧縮方式として、ASE Codingを開発した。アルゴリズム開発において、情報エントロピーの理論を精査し、データ圧縮に利用されるシャノンの平均情報量に関する理論をロスレス圧縮に適合する形で実現することができた。さらに、上記開発項目の進み具合に従って、バンク方式での動的ハッシュ更新による大域的エントロピー予測技法の開発にも着手した。これまでの研究を通じて、データ圧縮に関わるパラメタを特定することが重要であり、圧縮率に大きな影響を与える要素が存在すると考えられる。このような要素の特定を行い、振る舞いを理解した上で、最適な圧縮率を実現するフィードバック技法を開発した。この手法はASE Codingにおけるパラメタを動的に判断させる機構をもち、エントロピーの変化に従って制御リソースの最適化を行う技法を内在している。以上の成果をジャーナル論文として公表した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H04152
ID情報
  • 課題番号 : 20H04152
  • 体系的課題番号 : JP20H04152