2022年10月28日
所得水準,所得格差と中国住民の主観的厚生 : パネルデータに基づく実証分析
経済志林
- ,
- 巻
- 90
- 号
- 1・2
- 開始ページ
- 57
- 終了ページ
- 87
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.15002/00025875
- 出版者・発行元
- 法政大学経済学部学会
本稿では,中国家庭パネル調査(CFPS)のパネルデータを活用し,既存研究では考慮されなかった個人間の異質性および初期依存問題に対処し,所得水準及び所得格差が,中国住民の主観的厚生にどの程度影響を与えるのかに関する実証研究を行った。主な結論は以下の通りである。第1に,既存研究と同様のクロスセクションデータに基づく分析結果によると,絶対所得仮説と相対所得仮説のいずれも支持された。大多数の先行研究に類似する結果が得られた。第2に,パネルデータを活用し,個人間の異質性に対処した分析結果において,高所得層で絶対所得仮説が支持されたが,さらに初期依存問題に対処した分析結果では,絶対所得仮説が棄却された。ただし,パネルデータ分析のいずれにおいても,相対所得仮説が強く支持された。第3に,所得要因の主観的厚生への影響はグループによって異なる。中低学歴者,女性,都市戸籍住民,東部・中部地域住民に比べ,高学歴者,男性,農村戸籍住民および西部地域住民での相対所得の影響はより大きい。
- リンク情報
-
- DOI
- https://doi.org/10.15002/00025875
- CiNii Books
- http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN00071028
- CiNii Research
- https://cir.nii.ac.jp/crid/1390294330154179456?lang=ja
- URL
- http://id.ndl.go.jp/bib/032492661
- URL
- https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I032492661
- URL
- https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21J10427/
- ID情報
-
- DOI : 10.15002/00025875
- ISSN : 0022-9741
- CiNii Books ID : AN00071028
- CiNii Research ID : 1390294330154179456