研究ブログ
シェンケル先生の傘寿(80歳)記念シンポジウム
ベルリンにて3日間にわたるシェンケル先生の80歳記念シンポジウムに参加してきました。ヴォルフガング・シェンケル(Wolfgang Schenkel)先生はチュービンゲン大学にて長らくエジプト学教授を務められ、「チュービンゲン学派」と呼ばれるエジプト語学の一学派の指導者として長らくドイツのエジプト語学を牽引されてきました。彼のTübinger Einführung in die klassisch-ägyptische Sprache und Schriftはドイツにおいて数ある中期エジプト語文法の学術的な入門書として用いられています。ちなみにこの文法書はこちらからダウンロードできます。シェンケル先生はこのほかにも、エジプト語の色に関する研究でも名高く、言語人類学や認知意味論に多大な影響を与えたバーリン&ケイの色の研究のフレームワークでエジプト語の色彩語について緻密な分析をなされました。その研究はこちらからダウンロードできます。エジプト学のコーパス言語学の先駆者でもあり、エジプト語のすべての文章を収録する予定である、ベルリン・ブランデンブルク学術アカデミーのThesaurus Lingua Aegyptiaeをその初期に率いられました。現在はトニオ・セバスチャン・リヒター(Tonio Sebastian Richter)先生がこのプロジェクトリーダーを務められています。1日目は夜だけだったものの、2日目と3日目は朝から晩まで著名なエジプト学者の研究発表があり、そのすべての発表に出席しました。今は疲れているので、研究発表については後日このブログに書こうと思います。
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