2021年7月 - 2024年3月
フィールドデータのアーカイブに向けた問題点の整理と解決策
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
国内の言語学・方言学では一般的に、個々の言語学者が自分のフィールドデータを管理、 研究で利用し、他の研究者がこの研究成果の妥当性を詳細に検討するためには、自分自身が そのフィールドに行って調査するか、個人的にデータをコピーさせてもらうしかない。この ような慣習には、特に消滅危機言語・方言を研究する上で以下のような問題点がある。1. 研 究者の主張の妥当性を確かめることが困難で、再現性も担保されない。2. 消滅危機言語・方 言は、一部地域で話されている話者数の少ない言語でもあり、研究の再現性のために複数の 研究者が同じ話者に調査協力を依頼すると話者の負担が増す。3. 個々の研究者が「データを 囲い込んでいる」ことが問題だが、研究者の問題であるとも言い切れず、フィールドデータ を発表しても業績にならないので発表する動機づけがないという構造的な問題をはらんでい る。4. 語彙リストや談話資料は業績となりうるが、発表媒体が主に紙であり、音声・動画の 公開は研究者の技術に制約されやすく、また公開しても業績にならないので、公開する動機 づけがない。5. 電子ジャーナルとして語彙リストや談話資料が公開されることもあるが、フ ォーマットはpdfが主流であり、定量的な分析に向かない。6. 調査に協力した話者を含むコ ミュニティへのデータの還元がなく、地元の言語や文化の継承に貢献できない。上述の問題を解決するためには、日本国内にデジタルアーカイブができる設備が必要で ある。その第1歩として以下を遂行することを、本プロジェクトの目標とする。
(a) 少数の研究者間でのフィールドデータの電子的共有(1, 2の解決策)
(b) 共通メタデータの提案・改良・普及(1, 2の解決策)
(c) 電子ジャーナル以外でのデータの公開方法、引用方法の検討(3, 4, 5, 6の解決策) (d) 地域との協働 (6の解決策)
(a) 少数の研究者間でのフィールドデータの電子的共有(1, 2の解決策)
(b) 共通メタデータの提案・改良・普及(1, 2の解決策)
(c) 電子ジャーナル以外でのデータの公開方法、引用方法の検討(3, 4, 5, 6の解決策) (d) 地域との協働 (6の解決策)
- ID情報
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- 課題番号 : 21K18376
- 体系的課題番号 : JP21K18376
この研究課題の成果一覧
講演・口頭発表等
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じんもんこん2023 人文科学とコンピュータシンポジウム「人文学のためのデータインフラストラクチャー構築に向けて」 2023年12月9日
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Encoding Cultures – joint MEC and TEI Conference 2023(査読あり) 2023年9月7日
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言語資源ワークショップ2023(査読あり) 2023年8月29日
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2023 Digital Japanese Studies Symposium: Digital Humanities as New Paradigm on Japanese Studies in Indonesia 2023年3月30日 招待有り
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第14回琉球継承言語研究会シンポジウム(査読あり) 2023年3月25日
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HiSoPra*研究会(第6回) 2023年3月21日 招待有り
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フィールド言語学ワークショップ:第22回文法研究ワークショップ「文法研究とデジタル・ヒューマニティーズ(1)」 2023年3月20日 招待有り
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言語処理学会29回年次大会 2023年3月16日 招待有り
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言語処理学会第29回年次大会 (査読あり) 2023年3月14日
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言語処理学会第29回年次大会(査読あり) 2023年3月14日
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8th International Conference on Language Documentation & Conservation (ICLDC 8) 2023年3月2日
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言語学フェス2023 2023年1月28日
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NINJALシンポジウム 「言語資源学の創成 : 開かれた言語資源による日本語研究」 2022年12月10日
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令和4年度 第2回「危機言語の保存と日琉諸語のプロソディー」合同研究発表会 2022年12月4日
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令和4年度 第2回「危機言語の保存と日琉諸語のプロソディー」合同研究発表会 2022年12月4日
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Conference "The Digital Turn in Early Modern Japanese Studies" 2022年12月2日 招待有り
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デジタルアーカイブ学会第7回研究大会一般研究発表 (沖縄現地会場) 2022年11月25日
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日本言語学会第165回大会(査読あり) 2022年11月12日
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Among Digitized Manuscripts: Working with Oriental Manuscripts in the Digital Age 2022年10月17日 招待有り
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Transkribus User Conference 22(査読あり) 2022年9月29日