ドライバが目視できない地点の現在の風景画像は,ドライバの経路選択や安全運転の手助けになるだろう.筆者らは,ドライバが指定した位置を走行する他車両が撮影した画像を掲示するリアルタイム画像カーナビを開発している.ドライバが画像を要求する場合,画像の撮影座標や方向,対象などが明示的にシステムへ入力されることが望ましい.本システムを運転中に使用する場合,音声入力のような容易な入力方法が望ましいが,ドライバが撮影条件を明示的に指定することは容易ではない.そのため,システムはドライバの曖昧な要求からドライバの所望する画像の撮影条件を決める必要がある.本稿では,システムがドライバ自身の情報や現在の自車両の状況などのコンテキスト情報からドライバの置かれた状況を推測し,状況に適した画像の撮影条件を決定する撮影位置決定方式を提案する.本方式実現のため,様々な状況に置かれたドライバの所望する画像の撮影条件をアンケートで調査したところ,初めて通る道を走行するドライバは道路の構成が撮影された画像を所望するなどの特徴がみられた.本稿では,それらの結果に基づき,システムがドライバに掲示する画像の選定方針を示す.