2014年11月
末期がん患者ケアを実践している在宅療養支援診療所医師と鍼灸師の連携に関する調査
全日本鍼灸学会雑誌
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- 巻
- 64
- 号
- 4
- 開始ページ
- 196
- 終了ページ
- 203
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.3777/jjsam.64.196
- 出版者・発行元
- (公社)全日本鍼灸学会
【目的】本研究は、在宅療養支援診療所の医師を対象として、在宅緩和ケア領域における鍼灸師との連携の実態を明らかにすることを目的とする。【方法】在宅でのがん緩和ケア実績のある在宅療養支援診療所297施設を対象とした。郵送法による自記式質問紙調査を行い、回答は診療所所属の医師に依頼した。質問紙は、鍼灸師と連携をして在宅緩和ケアを実践している施設数、連携の現状、および情報共有の実態と方法を把握する内容とした。【結果】294施設中98施設から回答を得た(回答率33.3%)。現在鍼灸師と連携して末期がん患者のケアを実践しているのが14施設(14.3%)、過去に連携をしたことがあるのが9施設(9.2%)であった。鍼灸師と連携してケアする患者の症状は、疼痛、吃逆、浮腫、腹水、便秘等が挙げられていた。鍼灸師と連携することによるメリットについては、「症状の緩和」、「患者の満足度の向上」、「患者のモチベーションの向上」などの記述が見られた。鍼灸師との情報共有の有無について、「必ず共有する」が7施設(50%)、「状況に応じて共有する」が7施設(50%)で、「情報共有しない」施設は無かった。今後の在宅緩和ケアにおける鍼灸師との連携についての考えを尋ねたところ、全体のうち「積極的に連携したい」が9施設(9.2%)、「状況によっては連携を考える」が65施設(66.3%)であった。【結論】本研究より、在宅緩和ケア領域において、在宅療養支援診療所医師と鍼灸師とが連携している施設が14.3%存在することが判明した。また、連携により症状緩和だけではない患者ケアが実践できる可能性が示唆された。一方で、鍼灸師が在宅緩和ケアの現場に関わるためには、患者情報やチームとして行われているケアの状況を適切に把握する必要があり、医師をはじめとした他職種と連携を図り情報共有する為の環境整備を推進すべきであると考えられた。(著者抄録)
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.3777/jjsam.64.196
- ISSN : 0285-9955
- eISSN : 1882-661X
- 医中誌Web ID : 2015094052
- CiNii Articles ID : 130005092551
- identifiers.cinii_nr_id : 9000301714980