2017年8月31日
生体イメージングを応用したIBDモデルにおける腸管粘膜免疫応答の解析
日本臨床免疫学会会誌
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- 巻
- 40
- 号
- 4
- 開始ページ
- 269
- 終了ページ
- 269b
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.2177/jsci.40.269b
- 出版者・発行元
- 日本臨床免疫学会
<p> 我々の腸管粘膜には独特なリンパ組織gut-associated lymphoid tissues(GALT)が形成され,免疫寛容と賦活の適切なバランスが巧みに調節されている.一方,この腸管粘膜における免疫恒常性の破綻は過剰で病的な免疫応答の誘導を来たし,クローン病や潰瘍性大腸炎など本邦でも急増傾向にある炎症性腸疾患(IBD)の病態を誘導する.これまでに,クローン病をはじめとする腸管の慢性炎症性疾患は回盲部に好発すること,また潰瘍性大腸炎は虫垂切除術によって発症リスクが低下することなどが知られている.こうした事実は回盲部周辺における免疫応答がIBDの病態に深く関与することを暗示している.しかしその特殊な免疫調節機構の詳細,あるいは疾患における病態的意義はこれまで明らかにされていない.そこで我々は5D生体イメージングやFLET技術を応用しつつ,IBDモデル誘発時の回盲部周辺における免疫応答の解析を試みた.IBDにおけるB細胞機能の病態的意義としては,分化した形質細胞から分泌される異常な免疫グロブリン産生のみがこれまで注目されてきた.ところが我々の解析結果から見えてきたものは,特定のGALTにおけるB細胞の新たな機能であった.本講演では,生体イメージングによる解析から浮き彫りにされた,この腸管粘膜における新たな免疫調節機構について紹介したい.</p>
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.2177/jsci.40.269b
- ISSN : 0911-4300
- J-Global ID : 201702244531689723
- CiNii Articles ID : 130006219383