2017年4月 - 2020年3月
マダニ吸血プロセスにおけるロンギスタチンの分泌意義と疾患制御への応用
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
マダニは私たちの体表に寄生して、多種多様な薬理物質を宿主体内に放出しながら吸血を成し遂げる。我々は、マダニの唾液腺から炎症反応の発端となるRAGE受容体に結合後、情報伝達系を介してサイトカインなど一連の炎症反応を抑制する唾液分子ロンギスタチンを見出し、天然物から初のRAGE阻害剤の発見として大きな反響を得た。本研究では未解明にあるロンギスタチン産生の発端や産生後の挙動、宿主における応答機構を明らかにし、ロンギスタチンの機能・構造に基づいたワクチン、予防薬など動物・ヒト疾患制御の方策を探る。
本年度の研究では、ロンギスタチンを含む唾液生理活性物質発現を調節する転写調節領域、特にプロモーターについて明らかにすることを目標とし、その配列同定と機能性についての確認を中心に行った。フタトゲチマダニ単為生殖系岡山株を用い、未吸血(吸血後0日目)の成ダニから全DNAを抽出した。
これまでにEST解析やNGS解析を通して明らかとなったmRNAの配列をもとに、転写開始領域を検出、ついで、遺伝子配列内に相補鎖プライマーを複数作成した。ゲノムDNAを鋳型として、転写開始点の上流にある遺伝子領域についてクローニングを行ったところ、唾液腺を含む各臓器において発現量の高いアクチンや翻訳伸長因子の遺伝子についての上流配列を得ることに成功した。特にアクチンプロモーター配列は、マダニの細胞内においてもプロモーター活性を有することを確認しており、また哺乳類PGKプロモーター配列についてもマダニ細胞内でのプロモーター活性を有することを明らかとした。
本年度の研究では、ロンギスタチンを含む唾液生理活性物質発現を調節する転写調節領域、特にプロモーターについて明らかにすることを目標とし、その配列同定と機能性についての確認を中心に行った。フタトゲチマダニ単為生殖系岡山株を用い、未吸血(吸血後0日目)の成ダニから全DNAを抽出した。
これまでにEST解析やNGS解析を通して明らかとなったmRNAの配列をもとに、転写開始領域を検出、ついで、遺伝子配列内に相補鎖プライマーを複数作成した。ゲノムDNAを鋳型として、転写開始点の上流にある遺伝子領域についてクローニングを行ったところ、唾液腺を含む各臓器において発現量の高いアクチンや翻訳伸長因子の遺伝子についての上流配列を得ることに成功した。特にアクチンプロモーター配列は、マダニの細胞内においてもプロモーター活性を有することを確認しており、また哺乳類PGKプロモーター配列についてもマダニ細胞内でのプロモーター活性を有することを明らかとした。
- ID情報
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- 課題番号 : 17H03919
- 体系的課題番号 : JP17H03919