2003年3月
鉛-ビスマス冷却炉の熱流動特性解析; MSG-COPDコードによるプラントシステム解析
JNC TN9400 2003-025
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- 開始ページ
- 71
- 終了ページ
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 機関テクニカルレポート,技術報告書,プレプリント等
サイクル機構では、高速増殖炉の実用化戦略調査研究として、多様な冷却材を対象に革新技術を採用した高速炉プラントの実用化像に関する調査研究を進めている。そのフェーズI研究(H11$\sim$12)の中で、鉛-ビスマス冷却材については、比較的自然循環性にすぐれるとともに水と急激に反応しないことから、自然循環による2次系を削除したタンク型炉が有望と評価された。フェーズII研究(H13$\sim$)では炉心性能向上を目指し、強制循環方式も含めて検討が進められている。 一方、米国ではGenerationIVと称した次世代原子炉に関する調査研究が行われている。そこでは日本と同様に、鉛-ビスマス冷却自然循環方式でダクトレス炉心を採用した小型炉が検討されている。 本研究では、実用化戦略調査研究フェーズIIで設計が進められている鉛-ビスマス冷却強制循環炉、及び、鉛-ビスマス冷却自然循環炉の熱流動特性を把握することを目的として、統合型プラント動特性コード(MSG-COPD)による解析モデルを構築するとともに熱流動特性を検討した。 その結果、強制循環炉の手動トリップ事象について、炉上部プレナム内に温度成層化が生じるが、解消は比較的速いことを確認した。外部電源喪失事象について、トリップ時のポンプフローコーストダウン特性の炉心出口温度への影響を評価した。 また、ダクトレス炉心の小型自然循環炉は、抱くと付き炉心と比較して浮力による再流配効果が小さいことを確認するとともに、出力変動に対して十分な除熱応答が得られることが分かった。