2018年10月
観光地駐車場における時間短縮,事前予約制および付帯サービスの価値推計〜高尾山地区における観光地マネジメント構想実現のための駐車場マネジメントシステムの導入を目指して
都市計画論文集
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- 巻
- 53
- 号
- 3
- 開始ページ
- 1335
- 終了ページ
- 1340
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.11361/journalcpij.53.1335
- 出版者・発行元
- 公益社団法人 日本都市計画学会
本研究では,高尾山駅周辺地区を対象とした駐車場選択モデルを構築し,アクセス時間短縮,待ち時間短縮,事前予約制導入の価値に加えて,付帯サービス導入の価値を推定した.付帯サービスとしてケーブルカー優先搭乗券と温泉タオルセットを選定した.高尾山来訪者の駐車場選択モデルは,多項ロジット型で表現した.そのモデルパラメータやこれら価値を推定するために,2017年11月に高尾山地区で仮想的な駐車場選択の設問を含む意識調査を実施した.モデル推定の結果,目的地であるケーブルカー清滝駅までの徒歩時間の時間評価値が28.8円/分,待ち時間の時間評価値は9.28円/分となった.事前予約制の価値は376円と推定され,既往研究で導出された予約料支払意思額の500円とほぼ同等の結果となった.さらに,ケーブルカー優先搭乗券の価値は381円,温泉タオルセットのそれは169円となり,事前予約制とケーブルカー優先搭乗券を組み合わせたサービスの導入により,高尾山地区観光地マネジメントの資金を一定程度確保できる可能性があることが示唆された.最後にこれら価値の属性や訪問形態による違いを詳細に分析し,サービスに対する価値が特に年齢階層や同行者によって大きく異なる可能性があることを示した.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11361/journalcpij.53.1335
- ISSN : 0916-0647
- CiNii Articles ID : 130007501331