2004年3月
「常陽」MK-III性能試験; 等温温度係数測定(NT-333)
JNC TN9400 2004-012
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- 開始ページ
- 56
- 終了ページ
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 機関テクニカルレポート,技術報告書,プレプリント等
高速実験炉「常陽」MK-III性能試験炉心において、等温温度係数測定試験を実施した。昇温時と降温時の測定結果には系統的な差が見られたが、制御棒駆動機構延長管の熱収縮効果を補正することにより、この系統的な差を排除することができた。この結果、等温温度係数の測定値として、-3.82$\pm$0.17$\times$10-3\%$\Delta$k/kk'/$^{\circ}C$を得た。本試験の測定結果から、MK-III性能試験炉心の等温温度係数は負の値となることが確認できた。また、設計値-3.88$\times$10-3\%$\Delta$k/kk'/$^{\circ}C$ともよく一致することも確認できた。一方で、JUPITER実験解析で確立されたより詳細な標準解析手法(JUPITER標準解析手法)を適用した解析も実施した。なお、JUPITER標準解析手法では、輸送理論に基づく計算や超微細群モデルに基づく計算を実施して、手法の違いによる影響を評価した。また、解析では等温温度係数をドップラ係数、膨脹係数(炉心支持板、燃料、構造材、冷却材)等の反応度成分に分離して評価した。更に、MK-I、MK-II炉心の等温温度係数を同等の手法で解析することにより、従来炉心の等温温度係数との差についても分析した。JUPITER標準解析手法による最終的な解析結果は、-3.68$\times$10-3\%$\Delta$k/kk'/$^{\circ}C$(C/E値:0.96)となり、今回の測定値と測定誤差の範囲で一致することが確認できた。