論文

査読有り
2009年4月

11Cr系耐熱フェライト/マルテンサイト鋼の微細組織に及ぼす高温・重照射の効果

Journal of Nuclear Materials
  • 山下 真一郎
  • ,
  • 矢野 康英
  • ,
  • 舘 義昭
  • ,
  • 赤坂 尚昭

386-388
C
開始ページ
135
終了ページ
139
記述言語
英語
掲載種別
研究論文(学術雑誌)
DOI
10.1016/j.jnucmat.2008.12.082

FFTF及び常陽を用いて11Cr系耐熱フェライト/マルテンサイト鋼を400$\sim$670$^{\circ}$Cの温度範囲で約100dpaまで照射した。一部の材料は組織変化挙動に及ぼす熱的効果を明らかにするために、原子炉照射相当の長時間熱時効試験も行った。照射前の組織は、ラスマルテンサイト組織(ラス組織),転位,炭化物で構成されており、旧オーステナイト粒界のほとんどは部分的に炭化物で被覆されていた。照射後組織観察の結果から、照射により誘起される組織が照射温度に応じて次の3つに分類されることが示された。(1)照射温度が400$\sim$450$^{\circ}$Cの低温域の場合、フェライト相内に直径30nm以下の微細な転位ループやキャビティが形成するが、ボイドスエリング量としては0.05\%に留まる程度であった。(2)温度が500$\sim$600$^{\circ}$Cの中温域で照射されると炭化物の析出が支配的な組織変化となり、M$_{23}$C$_{6}$やM$_{6}$Cが旧オーステナイト粒界を広範囲に被覆することで、粒界強化やラス組織回復の遅滞化に寄与していることが明らかとなった。(3)照射温度が650$^{\circ}$Cを超える高温になった場合、ラス組織の完全回復,炭化物の著しい粗大化に加え、再結晶粒の形成,成長が同時に生じてしまうことが明らかとなった。この組織変化は、650$^{\circ}$C以上では不可避な組織変化と考えられ、機械的特性の著しい劣化と密接な関係があると推察される。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.1016/j.jnucmat.2008.12.082
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5010739
Scopus
https://www.scopus.com/inward/record.uri?partnerID=HzOxMe3b&scp=64649089941&origin=inward
Scopus Citedby
https://www.scopus.com/inward/citedby.uri?partnerID=HzOxMe3b&scp=64649089941&origin=inward
ID情報
  • DOI : 10.1016/j.jnucmat.2008.12.082
  • ISSN : 0022-3115
  • SCOPUS ID : 64649089941

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