共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2023年3月

雇用保障と社会保障の認知と選好:パネル化認知・コンジョイント実験分析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
18H03630
体系的課題番号
JP18H03630
配分額
(総額)
43,680,000円
(直接経費)
33,600,000円
(間接経費)
10,080,000円

2021年度に取りまとめを終えた成果は大きく3点に分けられる。
1. 2020年度に,効果の相違,副作用の相違,地政学的懸念のある国を含む開発国,を組み合わせた仮想的ワクチンをコンジョイント実験によって生成,それを選択させる調査を実施した。その際にワクチン接種を任意とする筋書きと努力義務とする筋書きとに分ける情報トリートメントを実施した。副作用,効果,地政学的懸念が選択に影響を及ぼしたが,これらの拒否反応は,接種の義務化によって緩和された。すなわち,義務化によって集団免疫形成におけるフリーライディングを防ぐことは,接種忌避を緩和することが確認された。この成果は2021年度にSSM-Population Healthに刊行された。
2. 2021年度に,ワクチンが希少な場合に,優先的な接種対象として多国籍者よりも自国民を優先する排外種的傾向を抑制し,集団的免疫の外部経済を拡大する方策を探るコンジョイント実験を実施した。その結果,外国人の職種が医療,教育関係である場合に,排外主義的傾向が弱まることが発見され,免疫形成の外部経済に対する職業的外部経済の乗数効果が発見された。この成果はディスカッション・ペーパーとして発表され,学術雑誌に投稿中である。
3. 2020年7月のコロナ禍初期には,対コロナ政策の選好に分断が生じていたこと,特に,モバイル通信機器を使った国民の監視について賛否が分かれていたことが確認された。しかし,2021年2月には,国民監視を拒否する国民的統合が再建された。「安全と自由のトレードオフ」は,危機に直面する立憲的民主主義国家に共通に直面する挑戦であるが,我が国は,新型コロナ感染症への学習が進むに連れ,南欧や韓国と異なり,デンマークやドイツと同様に,自由を優先する国民的統合を再建した。この成果はディスカッション・ペーパーにまとめられ,学術雑誌に投稿中である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18H03630
ID情報
  • 課題番号 : 18H03630
  • 体系的課題番号 : JP18H03630

この研究課題の成果一覧

論文

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