基本情報

所属
琉球大学 理学部 海洋自然科学科 生物系 助教
学位
博士(生命科学)(東北大学)

研究者番号
20808654
J-GLOBAL ID
201801020177735867
researchmap会員ID
7000022456

なぜ多種多様な生物が存在するのでしょうか?この進化生態学最大の謎と言える種多様性を生み出すプロセスを解明するべく、特に新たな環境への進出やそれに伴って生じる生物間相互作用に着目し、遺伝的多様化・表現型多様化のメカニズムについて研究しています。進化生態学(分子系統・集団遺伝解析)をベースとし、生態学(野外調査や室内実験)・分子生物学(形質の遺伝基盤解明)・古生物学(化石を用いた形態解析)を組み合わせた学際的な視点で、様々な仮説を検証しています。

そのための研究モデルとして、生態や環境を反映し化石として残る殻・性的な相互作用に関連する生殖器など、多様な表現形質をもつ軟体動物や、その捕食者である昆虫類・魚類を扱っています。現在の主な研究フィールドは、異なる地理・環境条件が見られ生物の高い種多様性を誇る日本・中国・極東ロシア・ベトナムなどの東北・東南アジアや、ガラパゴス諸島・ペルーなどの南米です。地史的成立年代の明らかな島嶼・古代湖などの閉鎖系へ進出し適応放散したグループや、大陸のグループ・広域分布種など、各地の軟体動物の進化史を調べてきました。各地で見られる進化パターンの比較を行い、異なるステージにある進化のスナップショットをつなぎ合わせることで、複雑な種多様化のプロセスにおける普遍性の解明を目標としています。

一方で、環境の変化だけでなく、人間活動も生物の多様化に影響してきたと考えられます。そこで、軟体動物をモデルとし、移入種を用い急速に生じる進化的変化についても研究を進めている他、在来生態系の保全の観点からも研究に取り組んでいます。実際に、軟体動物は西暦1500年以降最も絶滅した生物であると言われています。そのため、基礎的な保全研究を行ってきました。この他、民間・行政に情報提供・レッドデータブック執筆等で協力しつつ、固有種・外来種の生態研究、絶滅危惧種の飼育による系統維持などの応用研究も行っています。人間活動により直面する移入・絶滅などの問題の解決を目指しています。


受賞

  5

論文

  69

MISC

  3

書籍等出版物

  4

講演・口頭発表等

  45

担当経験のある科目(授業)

  3

共同研究・競争的資金等の研究課題

  15

学術貢献活動

  2

社会貢献活動

  1