共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2024年3月

統一的な辺彩色因子理論の構築

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
20K14353
体系的課題番号
JP20K14353
配分額
(総額)
2,860,000円
(直接経費)
2,200,000円
(間接経費)
660,000円

本年度は,Tutte の因子定理の辺彩色版に関する研究を中心に行った結果,以下の研究成果が得られた.
(1)k-閉路からなる 2-因子のみをもつ 3-正則グラフ:3-正則グラフの 2-因子における閉路の数はスナーク(3-辺彩色できない 2-連結 3-正則グラフ)とよばれる重要なグラフの研究と深く関わりがあり,多くの研究がなされている.本研究では,2-因子における閉路の長さを固定した 3-正則グラフを特徴付けるという問題を考え,一定の成果を得ることができた.ここで得られた知見は,これまでのものとは異なったものとなっており,辺彩色因子に関する研究において新たな問題を創出できる可能性があると考えられる.また,本研究成果は Discuss. Math. Graph Theory に掲載受理された.
(2)スターフリーグラフにおける全域 k-木が存在するための次数和条件:通常のグラフにおいて,ハミルトン道が存在するための次数和条件が Ore によって与えられている.Win はこの Ore の定理を拡張し,全域 k-木(最大次数が k である全域木)が存在するための次数和条件を与えた(ハミルトン道は,最大次数が 2 である全域木と見なせる).Liu ら,および Broersma は独立に,この Ore の結果に対してクロ―グラフを禁止することでハミルトン道が存在するための(Ore の)次数和条件を緩和する研究を行った.本研究では,クローフリーグラフを包含するスターグラフを禁止したグラフの族を考慮することで,Liu らの結果を包含するような定理を得ることができた.一年目に得られた知見に加えて,ここで得られた知見も二年目以降の研究に役立つものであると考えている.また,本研究成果は Discuss. Math. Graph Theory に掲載された.
以上が,二年目に得られた成果である.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K14353
ID情報
  • 課題番号 : 20K14353
  • 体系的課題番号 : JP20K14353

この研究課題の成果一覧

論文

  6

講演・口頭発表等

  3