2020年4月 - 2024年3月
統一的な辺彩色因子理論の構築
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
本年度は,Tutte の因子定理の辺彩色版に関する研究を中心に行った結果,以下の研究成果が得られた.
(1)k-閉路からなる 2-因子のみをもつ 3-正則グラフ:3-正則グラフの 2-因子における閉路の数はスナーク(3-辺彩色できない 2-連結 3-正則グラフ)とよばれる重要なグラフの研究と深く関わりがあり,多くの研究がなされている.本研究では,2-因子における閉路の長さを固定した 3-正則グラフを特徴付けるという問題を考え,一定の成果を得ることができた.ここで得られた知見は,これまでのものとは異なったものとなっており,辺彩色因子に関する研究において新たな問題を創出できる可能性があると考えられる.また,本研究成果は Discuss. Math. Graph Theory に掲載受理された.
(2)スターフリーグラフにおける全域 k-木が存在するための次数和条件:通常のグラフにおいて,ハミルトン道が存在するための次数和条件が Ore によって与えられている.Win はこの Ore の定理を拡張し,全域 k-木(最大次数が k である全域木)が存在するための次数和条件を与えた(ハミルトン道は,最大次数が 2 である全域木と見なせる).Liu ら,および Broersma は独立に,この Ore の結果に対してクロ―グラフを禁止することでハミルトン道が存在するための(Ore の)次数和条件を緩和する研究を行った.本研究では,クローフリーグラフを包含するスターグラフを禁止したグラフの族を考慮することで,Liu らの結果を包含するような定理を得ることができた.一年目に得られた知見に加えて,ここで得られた知見も二年目以降の研究に役立つものであると考えている.また,本研究成果は Discuss. Math. Graph Theory に掲載された.
以上が,二年目に得られた成果である.
(1)k-閉路からなる 2-因子のみをもつ 3-正則グラフ:3-正則グラフの 2-因子における閉路の数はスナーク(3-辺彩色できない 2-連結 3-正則グラフ)とよばれる重要なグラフの研究と深く関わりがあり,多くの研究がなされている.本研究では,2-因子における閉路の長さを固定した 3-正則グラフを特徴付けるという問題を考え,一定の成果を得ることができた.ここで得られた知見は,これまでのものとは異なったものとなっており,辺彩色因子に関する研究において新たな問題を創出できる可能性があると考えられる.また,本研究成果は Discuss. Math. Graph Theory に掲載受理された.
(2)スターフリーグラフにおける全域 k-木が存在するための次数和条件:通常のグラフにおいて,ハミルトン道が存在するための次数和条件が Ore によって与えられている.Win はこの Ore の定理を拡張し,全域 k-木(最大次数が k である全域木)が存在するための次数和条件を与えた(ハミルトン道は,最大次数が 2 である全域木と見なせる).Liu ら,および Broersma は独立に,この Ore の結果に対してクロ―グラフを禁止することでハミルトン道が存在するための(Ore の)次数和条件を緩和する研究を行った.本研究では,クローフリーグラフを包含するスターグラフを禁止したグラフの族を考慮することで,Liu らの結果を包含するような定理を得ることができた.一年目に得られた知見に加えて,ここで得られた知見も二年目以降の研究に役立つものであると考えている.また,本研究成果は Discuss. Math. Graph Theory に掲載された.
以上が,二年目に得られた成果である.
- ID情報
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- 課題番号 : 20K14353
- 体系的課題番号 : JP20K14353
この研究課題の成果一覧
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論文
6-
Discussiones Mathematicae Graph Theory 44(1) 281-296 2024年 査読有り責任著者
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Australasian Journal of Combinatorics 87(3) 423-439 2023年10月 査読有り
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Graphs and Combinatorics 39(2) 2023年3月28日 査読有り責任著者
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Discussiones Mathematicae Graph Theory 42(1) 5-13 2022年1月 査読有り責任著者
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Graphs and Combinatorics 37(3) 805-822 2021年 査読有り
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Discrete Mathematics 343(11) 112042-112042 2020年11月 査読有り
講演・口頭発表等
3-
Japanese Conference on Combinatorics and its Application 2022, 離散数学とその応用研究集会2022 2022年8月19日
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RIMS共同研究「グラフの局所構造の制限が与える不変量への影響」 2022年3月3日 招待有り
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日本数学会2021年度秋季総合分科会 2021年9月17日