2019年4月 - 2022年3月
柔道場面における頭部衝撃の定量化に関する研究:柔道死亡事故ゼロに向けて
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
柔道における重症頭部外傷の多くは、大外刈などで後方に投げられた場面で、頭部へ衝撃が加わったことで生じた急性硬膜下血腫である。つまり、柔道頭部外傷予防を考える際には、投げられた場面での頭部衝撃に着目する必要性を示している。 我々のバイオメカニクス研究も先行研究を支持する結果が得られているものの、これらはいずれも実験室で得られた情報である。そのため、測定条件は実際の柔道場面と大きく異なっている。頭部外傷の多くは試合に近い形式の練習で生じていることから、結果の解釈には注意が必要となる。
スポーツ動作時に選手の頭部に加わる衝撃に関しては、慣性センサを用いた報告が多くなされている。柔道動作における報告も散見するが、分析に関する詳細な記載がない場合も多い。また、本研究では実際の練習や試合での汎用性を考慮してマウスガード型の慣性センサを使用するが、その測定妥当性について十分に検証されていない。そこで本年度は光学式の3次元動作解析で得られたデータとの比較により、マウスガード型慣性センサを用いた柔道動作時の頭部衝撃データの妥当性について検証することを目的に研究を進めた。また、3次元動作解析による新たなカメラ設定による測定精度についても、検証をした。
慣性センサは当初の計画から変更し、マウスガード型を用いる。作成には、光学印象を用いた対象個々の口腔データを取得するために、医療機関の協力を得る。現在までに、測定手法の変更に伴う生命倫理審査の変更承認も含め、マウスガード型慣性センサの作成体制は整っている。柔道競技における慣性センサを用いた頭部衝撃測定の確立は、練習時の頭部外傷発生の早期発見や見逃しの防止、頭部外傷予防プログラムの効果判定システムの構築につながる可能性もある。さらに、将来の頭部外傷リスクのスクリーニングテスト開発へのデータ利用も検討している。
スポーツ動作時に選手の頭部に加わる衝撃に関しては、慣性センサを用いた報告が多くなされている。柔道動作における報告も散見するが、分析に関する詳細な記載がない場合も多い。また、本研究では実際の練習や試合での汎用性を考慮してマウスガード型の慣性センサを使用するが、その測定妥当性について十分に検証されていない。そこで本年度は光学式の3次元動作解析で得られたデータとの比較により、マウスガード型慣性センサを用いた柔道動作時の頭部衝撃データの妥当性について検証することを目的に研究を進めた。また、3次元動作解析による新たなカメラ設定による測定精度についても、検証をした。
慣性センサは当初の計画から変更し、マウスガード型を用いる。作成には、光学印象を用いた対象個々の口腔データを取得するために、医療機関の協力を得る。現在までに、測定手法の変更に伴う生命倫理審査の変更承認も含め、マウスガード型慣性センサの作成体制は整っている。柔道競技における慣性センサを用いた頭部衝撃測定の確立は、練習時の頭部外傷発生の早期発見や見逃しの防止、頭部外傷予防プログラムの効果判定システムの構築につながる可能性もある。さらに、将来の頭部外傷リスクのスクリーニングテスト開発へのデータ利用も検討している。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K11471
- 体系的課題番号 : JP19K11471