基本情報

所属
富山大学 名誉教授
学位
博士(工学)(1993年3月 金沢大学)

研究者番号
30179668
ORCID iD
 https://orcid.org/0000-0001-6301-4600
J-GLOBAL ID
200901045741865450
Researcher ID
GNH-6531-2022
researchmap会員ID
1000130322

外部リンク

 【高等教育開発】

  ・システム思考による問題解決学

  ・合意形成のモデリングとマネジメント

  ・自己形成のモデリングとマネジメント

  ・持続可能な開発のためのエンゲージメント

 大学人としての高等教育開発のスキーマ.pdf

※詳細は頁末に記載

  【主な職務上の業績】

 富山大学附属特別支援学校長として、学校改革にシステム思考を導入。自律分散型組織学習モデルをもとにした3ヶ年アクションプランを策定し、チーム学校によるプロジェクト型組織(学校支援プロジェクト、自己点検プロジェクト、さらに「学びあいの場」推進プロジェクト、等)を段階的に立ち上げて協同学習活動を活性化。学校の自律性(autonomy)を培う目的から新たに自己点検評価活動報告の年報(セルフスタディ・レポート)を逐次刊行物(ISSN)として発行。在任の4年を要して多忙の解消(残業月平均24時間短縮)と入学受験率の向上(2倍から6倍へ)、さらに教師の同僚性の向上(EQ理論に準拠)を実現。

 【社会貢献活動】

 在任中は戦略的マネジメント(創造的問題解決)の上流工程において肝要なシステム思考の専門研究をベースに創造性開発および組織開発、そしてウェルビーイングのための“自由と承認の対峙を止揚する”活動を実践。現在は、多様性に応え合理的配慮を推進するリーダーや学習組織のチェンジエージェント候補の問題解決力、特に仮説発見のアクティブラーニングや意思決定におけるロジカルシンキングに加えて組織レジエンスのためのエンゲージメントとして協同的アクションラーニングの啓発活動に従事。

 


主要な委員歴

  1

主要な論文

  70

MISC

  6

主要な書籍等出版物

  16

主要な講演・口頭発表等

  33

主要な所属学協会

  14

主要なWorks(作品等)

  3

主要な共同研究・競争的資金等の研究課題

  8

主要な学術貢献活動

  4

主要な社会貢献活動

  11

メディア報道

  1

主要なその他

  2
  • 172
    1985年 - 現在
    【概要】私の基幹研究は,システム思考による問題解決学です。この最大の特長は,モデル思考にあります。つまり問題の本質を表す仮説命題をモデル化し,これを切り口にした意味づけを通じて解決に資することです。仮説・検証・最適化ではなくむしろ仮説・意味づけ・実行可能で望ましい変化を行います。当初私は「推移律の適用によって問題認識の客観化を支援することはできる。」「学習活動はフィードバックを中心とするシステム操作性の向上によって促進する。」という仮説命題を掲げ,ISM法(Interpretive Structural Modeling)とAHP法(Analytic Hierarchy Process)とを連動したマルチウィンドウ型の問題の定性・定量的構造分析支援技術を開発しました。この理論に関しては,社会計画分野(関西国際空港りんくうタウンの事業者整備計画プロジェクトや日本万国博覧会環境負荷低減型土木構造及び施工法の調査研究プロジェクトなどにおいて応用する機会をいただきました。 しかしながら,持続可能な開発に適う21世紀型社会を展望する時,問題解決学を単に情報マネジメントとして捉えるだけでは十全でなくむしろポスト近代的コミュニティ開発に資する学識になる必要性があると捉え,2000年頃からはメンバーがルースに結合した自律分散型組織における二重ループ学習の中で一人ひとりのアイデンティティを醸成するセルフスタディ研究へと展開しています。この研究において扱うものは,合意形成や自己形成といったダイナミックでオープンなシステムであり,私自身がそのオブザーバであると同時にインサイダーでなければならないことから,研究遂行にあたってはシステマティックだけでなくシステミックなアプローチも採用しました。 合意形成に関連しては,大学改革に参画し組織の内部監察とチェンジエージェントとしてのアクションラーニングを試みました。この経験から2002年に組織学習の方法的フレームワーク仮説:“ソフトプロジェクトマネジメント(Soft PM)”をプロジェクトマネジメントの国際会議で提唱し,著書『ヨコ型コミュニティ開発のための社会的アクションラーニングの方法,海文堂出版(2004年)<日本創造学会第一回著作賞>』では,この仮説の有効性を検討するための実践的認識論を著しました。2014年には大学附属学校長の立場から学校改革に応用しています。 一方,自己形成に関しては,ヒュームの人性論とマトゥラーナのオートポイエーシス理論さらに西田幾多郎の“精神”など学際的な知見から人間発達の精神現象仮説:“自己内展(センシティビティ・マーカス)”を構築し,これをもとに著書『Systemic Meology: A Soft Systems Approach on The Method to Find One's Essence,Kaibundo(2009年)<科研費助成学術図書>』では, 現象学的システム思考によって自己本質を見いだすアプローチに応用しています。さらに自己内展モデルをもとに主体的な学びの概念として“弁証法的統合”を提唱し,富山大学で担当するアクティブラーニングの啓発のために活用しています。[論文「オブザーバからインサイダーとしての認識変容を学ぶ教育の実践(2012年)<日本創造学会論文賞>]また,創造的活動にもアクティブラーニングを導入しており,EQI検査からはコミュニケーション能力の向上を確認しています。[論文「コミュニケーション能力を向上させるための関わりを重視した創作ダンスのデザインに関する研究」日本創造学会論文誌(2016年)<日本創造学会研究奨励賞>]。その上で合意形成と自己形成の教育開発をまとめ,著書『自己と関わりの創造学―セルフスタディの教育研究―,大学教育出版(第2版2016年)』に著しました。 現在は,これまでの高等教育開発を糧にしてSDGs(4-7)“持続可能な社会をつくるための教育”の発展に資するべく教師教育やリーダー養成に努めているところです。