基本情報

所属
鹿児島大学 学術研究院 理工学域理学系 生物学プログラム 准教授
学位
博士 (理学)(2005年9月 北海道大学)

研究者番号
30632103
J-GLOBAL ID
201801002449092776
researchmap会員ID
B000295443

もともとは魚類の神経内分泌学が専門で「シロザケの産卵回遊」や「ゼブラフィッシュ・哺乳類細胞をもちいた生殖機能の獲得機構」の研究をしていました。

2012年より、脊索動物であるオタマボヤを使った発生学研究を進めています。研究室内での継代飼育が可能なワカレオタマボヤ(Oikopleura dioica) という種を材料にしています。

 

・オタマボヤの研究について

オタマボヤは脊索動物門に属しますが、体の細胞数が4000あまりと少ないこと、発生が早いこと (10時間ほどで大人と同じ体が完成する)、さらに世代時間が5日と短いなどの特徴があります。このように「線虫なみに単純な体の実験動物の利点」と「脊椎動物と共通したオタマジャクシ型の発生」とを兼ね備えており、発生学・遺伝学・進化学いずれにおいてもおもしろい研究課題が見つかります。

オタマボヤは体が透明で発生が早いので、イメージングや遺伝子スクリーニングに便利です。「卵形成から大人の体ができるまで」一つひとつの細胞の動き・遺伝子の働きを調べることができる脊索動物です。これまでに、
(1) 遺伝子の機能的スクリーニング;
(2) 発生のライブイメージング;
(3) ゲノムやトランスクリプトーム情報の構築;
(4) より改良された組織学的手法

など、研究基盤の構築を行ってきました。これらとオタマボヤの生物学的な特徴を組み合わせて研究を進めてきました。

・現在、実施しているテーマを列挙します(5/10/2021現在)。*とくに注力しているもの数点

(1) 遺伝学的手法による、発生の制御機構の解明
・動物で初となる、DNAによる新しい遺伝子抑制現象 (DNAi) のしくみ
・発生の時系列・空間特異的トランスクリプトーム情報の構築
・細胞系譜にもとづく、組織運命限定に対応した遺伝子発現の解析(ホヤとの共通点・相違点を明らかにする)
・初期胚に局在する母性mRNAのスクリーニング:動植軸の決定機構に挑む

(2) 謎めいた発生現象の実体解明
・2細胞期から始まる左右非対称形成: 一世紀前の謎に挑む
・表皮の2Dパターンが細胞レベルで個体差なくできるしくみ: 細胞破壊実験による検証
繊維をもちいたハウス建築:平面に並んだ表皮細胞が、3Dのフィルター構造(ハウス)を折り畳んで分泌する原理
・生殖巣の形成過程の解析

(3) (1)(2)のため、さらに新しい研究技術を導入する試み
・Cas9/CRISPRによるノックアウト・オタマボヤの特質を活用したノックイン
・トランスジェニック個体の作成
・新しい分子プローブの導入

これらに限定せず、独自の発想やアプローチを意識し、新たな研究領域の開拓を進めています。試料や技術の提供を通じて、国内外のさまざまな方々と共同研究を行っています。さらに科学教育や啓蒙活動の教材としての普及活動も進めています。

ご質問等ありましたら、遠慮なくご連絡ください。


論文

  36

MISC

  19

共同研究・競争的資金等の研究課題

  13