共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

骨粗鬆症患者におけるインプラント骨結合強度の改善:腸内細菌叢からのアプローチ

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K10180
体系的課題番号
JP19K10180
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

研究計画に従って、雌性Wistarラットを用いたin vivo試験を実施した。動物実験においては、次の3群を設定した:Group 1, 偽手術+水投与、Group 2, 卵巣摘出術+水投与、Group 3, 卵巣摘出術+プロアントシアニジン投与。偽手術あるいは卵巣摘出術の翌日から実験終了まで、水あるいは水に懸濁したプロアントシアニジン(ポリフェノールの一種)を胃ゾンデを用いて毎日経口投与した。手術の翌週に、頭蓋骨に直径5 mmの骨欠損を作製し、さらにその翌週に、脛骨にチタン製のスクリュー(インプラント)を埋入した。最初の手術から、35日後に動物を安楽死させた。従って、骨欠損の治癒期間は28日、インプラントの治癒期間は21日とした。頭蓋骨骨欠損およびインプラントオッセオインテグレーションを、それぞれマイクロCT分析とインプラント除去トルク試験で評価した。また、卵巣摘出の影響を確認するため、安楽死後に子宮と大腿骨を摘出し、子宮重量の計測および大腿骨の骨密度計測も実施した。
頭蓋骨骨欠損のマイクロCT分析の結果、Group 2ではGroup 1に比べて、骨欠損の治癒が遅れていることが分かった。一方、Group 3では、Group 1と同等の骨治癒を認めた。同様に、インプラントの除去トルクも、Group 2では、Group 1と3に比べて有意に低い値を認めた。子宮重量については、Group 2と3では、Group 1に比べて有意に低い値を認めた。大腿骨の骨密度については、Group1と3は、Group 2よりも有意に高い値を認めた。これらの結果から、プロアントシアニジンの経口投与は、卵巣摘出による骨代謝悪化を抑制する効果があることが示唆された。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K10180
ID情報
  • 課題番号 : 19K10180
  • 体系的課題番号 : JP19K10180