共同研究・競争的資金等の研究課題

2005年4月 - 2007年3月

磁場及び電場による気相成長炭素繊維の複合機能化

日本学術振興会  科学研究費補助金  基盤研究(C)

担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
3,300,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
0円
資金種別
競争的資金

(1) 磁場及び電場(直流・交流)での気相成長炭素繊維の基礎的配向特性の検討
気相成長炭素繊維を絶縁性高分子中に独立分散させ、極低濃度条件で、磁場・及び電場(直流・交流)下での回転配向時間を観察し、異方性磁化率または異方性誘電率を算出し気相成長炭素繊維の磁場・電場配向特性を決定する物質パラメーターを決定した。さらに 低濃度での基礎的な配向連結特性やマトリックスの誘電率の影響について詳細に検討し、磁場、直流電場、交流電場での配向制御(それぞれ独立配向、連結分岐配向、連結直線配向を形成)構造の特徴とそのメカニズムを明らかにした。
(2) 熱可塑性樹脂及び光硬化樹脂中で気相成長炭素繊維が配向制御されたフィルムの作製
基礎的配向特性の知見を応用して、樹脂中に混合し均一分散させた気相成長炭素繊維を、磁場及び電場でフィルム厚み方向に配向制御した複合体フィルムを作成しその構造を高解像度顕微鏡及びX線で評価し、導電特性を詳細に検討し、極低濃度条件で体積固有抵抗(Ωcm)で約1-10程度を発現できる透明な導電フィルムを作製した。
(3) 表面修飾した気相成長炭素繊維とin-situ重合による高分子複合体作成
表面修飾の方法として3つの異なる方法でカルボキシル基を導入(フェロセンを用いて導入、フリーデルクラフツのアシル化反応を利用し導入、硝酸処理による導入)し、その定量的評価方法を確立させ、修飾方法と種々の気相成長炭素繊維(同心円型、カップスタック型)の導入量に関する単位表面積あたりの定量的導入量の検討を行なった。カルボキシル基導入した気相成長炭素繊維をナイロン6モノマー中に分散させ、これをin-situ重合によりナイロン6複合体を作製し、溶融紡糸により糸を作製し、これらの複合体の機械的特性を評価より、約2wt%の分散添加で降伏応力が1.5倍上昇することを明らかにした。