共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年6月 - 2024年3月

情報科学による機能コア計算設計

日本学術振興会  科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)  新学術領域研究(研究領域提案型)

課題番号
19H05787
体系的課題番号
JP19H05787
配分額
(総額)
130,000,000円
(直接経費)
100,000,000円
(間接経費)
30,000,000円

機能コアは格子欠陥に形成される量子場であり,その構造と機能を理解するためには,複雑な計算や計測が不可欠である.本計画班は機能コア開発を加速するための情報科学手法の開発と応用という「機能コアインフォマティクス」ともいうべき役割を担っている.
これまでに機械学習を利用することにより,その計算効率を数万倍向上させることに成功している.一方で,構造決定が困難な格子欠陥も多数存在している.そこで,格子欠陥の構造を決定せずに物性を予測する手法の開発に取り組んできた. 2020年度の界面物性予測に続き,2021年度においては表面への原子吸着に関して,表面構造を作成することなくその吸着エネルギー,結合距離,電子構造を予測するモデルの構築に成功した.
さらに,本計画班では高精度な機械学習ポテンシャルを構築・公開している.前年度に引き続き,第一原理計算と情報科学の技法により,高精度な原子間ポテンシャルを構築する手法の開発および公開を行った.また,他班との連携により,シリコンの結晶粒界における粒界エネルギーや格子熱伝導などの予測を高精度に行った.その他にも, Decision Diagramによる制約を満たす結晶構造列挙手法を応用し,Special quasi-random structureの探索手法を開発した.
本計画班では様々な手法を活用したイオン機能コアの解析も行ってきた.前年度までに,第一原理計算と情報科学の技法を連携させることで,結晶内における拡散原子のポテンシャルエネルギー曲面 (PES) の高効率評価を実現し,今年度は,得られたPESから精度よく拡散係数を見積もる手法を開発した.そのソースコードはGitHubにて公開済である.
また,2021年度は実験的に計測可能なスペクトルと機械学習を利用した解析も進め,これまで理解されてこなかったスペクトル機能相関を明らかにした.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PLANNED-19H05787
ID情報
  • 課題番号 : 19H05787
  • 体系的課題番号 : JP19H05787