2017年
働く男性の「生活」と男女共同参画社会の実現
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
- 巻
- 69
- 号
- 0
- 開始ページ
- 6
- 終了ページ
- 6
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11428/kasei.69.0_6
- 出版者・発行元
- 一般社団法人 日本家政学会
<br><br>【目的】本研究の目的は、働く男性が男女共同参画にかかわる主体となりえるために必要な要素を、かれらの学生時代の生活の学びや現在の生活の状況と意識から明確にすることである。男性の長時間労働の削減に向けて、「働き方改革」の重要性が指摘されている。しかしその政策がどれだけ進んでも、男性自身が経済・効率を優先する企業中心社会の価値観や、性別役割分業の規範を受け入れる限り、例えば政府の掲げる「女性の活躍推進社会」は、女性が“男並み”に働きつつ、家庭で家事労働を全て引き受ける社会に過ぎず、男性自身も、人間らしい働き方や暮らし方を営むことが難しい。【方法】2013年と2017年に日本の女性および男性被雇用者(以下、働く男性と表記)を対象とした質問調査を行った。【結果】働く男性は女性よりも、職場では上司が自分たちの私事を考慮しないと感じ、仕事を助け合う雰囲気もなく、コミュニケーション不足だと感じる傾向があった。また個人・家庭生活では、働く男性は女性よりも仕事中心の暮らしを営む中で、自分の(そのような)生き方に満足していない傾向があった。そして男性のみで比較した場合、自分の生き方に満足している人は、そうでない人よりも、男性の生活的自立力を重視したり、次世代育成支援について肯定的な意見をもったりしていた。ただし男性が自分の生き方に満足していることと彼らの性別分業意識は、特に有意な関連性は見られなかった。
- リンク情報
- ID情報
-
- DOI : 10.11428/kasei.69.0_6
- CiNii Articles ID : 130005790909