講演・口頭発表等

中性子反射率計SUIRENのこれまでとこれから

小角・反射率・高分解能研究会; JRR3の再稼働を見据えて
  • 武田 全康
  • ,
  • 山崎 大
  • ,
  • 坂佐井 馨
  • ,
  • 曽山 和彦

開催年月日
2017年4月
記述言語
日本語
会議種別
開催地
国・地域
日本

反射率計は、表面・界面という薄膜特有の構造解析に特化した装置で、表面はいうまでもなく、多層膜の内部に埋もれた、機能発現の場である界面構造をも非破壊的に知ることのできる唯一の観察手法である。特に中性子は、X線に比較して物質に対する透過力が非常に大きく、物質中に深く埋もれた界面にも容易に達する。また、X線が苦手とする軽元素に対する感度も大きく、さらに、周期律表で隣り合う元素の識別能力を持つため、中性子反射率計は、金属, 高分子, 生物と測定対象を問わない理想的な表面・界面ナノ構造の研究手段である。そのため、国外では、表面・界面の研究に中性子反射率計の利用が急速に拡大しており、40台近い中性子反射率計が稼働している。国内でもJRR-3に2台(MINE-II, SUREN)とMLFにも2台(SOFIA, 写楽)の中性子反射率計が設置されているが、反射率データから構造情報を引き出すためには、逆格子空間内のある領域を一度に解析(プロファイル解析)する必要があり、MLFのようなパルス中性子源の方が、JRR-3のような定常中性子源よりも有利である。MLFの中性子反射率計が本格的に稼働した現状を踏まえた上で、SUIRENの今後の方向性について、装置グループとしての考えを報告する。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5059212