共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2022年3月

AI支援型がん患者の意思決定構造解析を基盤とした情報提供システムの開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
18H03084
体系的課題番号
JP18H03084
配分額
(総額)
14,690,000円
(直接経費)
11,300,000円
(間接経費)
3,390,000円

1.予備調査1:再発・進行がん患者の意思決定支援における、医療従事者の臨床判断構造および患者・家族の治療選択にまつわる価値観を明確化するために、看護師7名に記述式の質問紙調査を行った。医療従事者の臨床判断構造としては、5つの段階的なプロセスが明らかになった。患者の価値観は、①延命、②辛い体験を避けること、③家族の負担を最小限にすること、④家族と過ごせる時間の確保の4つであった。家族の価値観は、①患者の延命、②患者の苦痛を最小限にすること、③患者の意思を尊重すること、⑤自分の生活維持の4つであった。
2.本調査1:がん患者の治療選択に関わる意思決定の心理学的要因を明らかにするために、がん患者200名にインターネット上の質問紙調査を行った。病状説明の内容は76%に認識されており、37.5%は治療後の生活に不安を感じていた。約半数が積極的に自己決定しようとしており、13%は治療選択において困難さ、18%は治療後の身体状況に違和感を感じていた。医療従事者(59.5%)や家族(35%)へ積極的に相談し、①延命、②医療者の意見、③治療に伴うリスクを受け入れることを決め手として決断していた。
3.本調査2:がん治療医の意思決定支援に関わる要因を明らかにするために、がん治療医200名にインターネット上の質問紙調査を行った。①診断時、②有害事象のコントロールが難しい時、③再発・転移が生じたときに意思決定支援が必要な患者のスクリーニングをしていた。自己決定が難しい患者がいた場合他職種連携をはかったものは39%であった。意思決定に対する満足度における有意な説明変数として、将来の利得と損失、意思決定に対する困難感、医師からの治療病状の説明、一部の決める力、そして一部のリスク対処能力が挙げられた。
4.東アジアの家族思考の意思決定モデルの中で本人の意向を尊重して意思決定を行うかについて検討した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18H03084
ID情報
  • 課題番号 : 18H03084
  • 体系的課題番号 : JP18H03084