2019年8月
ウラン-ジルコニウム-鉄の混合溶融酸化物の凝固時偏析に関する基礎検討
日本原子力学会和文論文誌
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- 巻
- 18
- 号
- 3
- 開始ページ
- 111
- 終了ページ
- 118
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.3327/taesj.J18.029
炉心溶融物の凝固過程での冷却速度の違いは燃料デブリ構成成分の偏析に大きく影響する。偏析傾向を把握するため、模擬コリウム(UO$_{2}$, ZrO$_{2}$, FeO, B$_{4}$C, FP酸化物)の溶融/凝固試験を行った。模擬コリウムはAr雰囲気化で2600$^{\circ}$まで加熱し、2つの冷却速度での降温を行った。(炉冷(平均744$^{\circ}$C/min)および徐冷(2600$^{\circ}$C$\sim$2300$^{\circ}$C:5$^{\circ}$C/min、2300$^{\circ}$C$\sim$1120$^{\circ}$C:平均788$^{\circ}$C/min)元素分析により、炉冷条件および徐冷条件両方の固化後の試料中に3つの異なる組成を持つ酸化物相および1つの金属相が確認された。炉冷条件、徐冷条件ともにこれら3つの酸化物相へのFeO固溶度はおおよそ12$\pm$5at\%であった。この結果はUO$_{2}$-ZrO$_{2}$-FeO状態図におおよそ一致している。一方、徐冷条件での試料中に、Zrリッチ相の大粒形化が確認された。この相の組成は液相の初期組成と一致しており、遅い凝固中で液滴の連結が起こり、凝集したと評価した。
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- DOI : 10.3327/taesj.J18.029
- ISSN : 1347-2879