田邉 健太郎

J-GLOBALへ         更新日: 18/12/23 01:02
 
アバター
研究者氏名
田邉 健太郎
 
タナベ ケンタロウ
eメール
tanaberougmail.com
所属
立命館大学
部署
先端総合学術研究科
職名
授業担当講師
学位
修士(情報科学)(東北大学), 修士(教育学)(上越教育大学), 博士(学術)(立命館大学)
その他の所属
立命館大学生存学研究センター
科研費研究者番号
90738197

プロフィール

以下のような研究を行っています。

1.音楽作品の存在論

 音楽作品は、例えば絵画といった芸術ジャンルと比べたときに、多くの「謎」が立ち現われてきます。直観に従うならば、絵画は燃やされてしまうならば消滅し、経年変化で色あせた場合には修復がなされるでしょう。では、音楽作品の場合、何が行われたらそれは「消滅」するのでしょうか。あるいは、絵画における修復のような作業を音楽作品に当てはめる場合、何がそれに該当するのでしょうか。また、作品と演奏は密接に結びついているように思われますが、突き詰めて考えた場合、それらはどのような関係にあるのでしょうか。こういった一連の問いに答えるためには、音楽作品がどのようなものであるか、その存在条件や同一性条件は何であるのかに答える必要が生じます。音楽に関して抱かれる直観や表明される言説、著作権など音楽を取り巻く社会的・歴史的コンテクストを整理しながら、他方で現代形而上学の諸論点に取り組む非常にスリリングな領域が音楽作品の存在論です。

2.知覚、認知、概念、記述

 私は昔から、音楽と記述の関係について、経験に根差した次のような疑問を抱いていました。第一に、なぜ楽曲の説明が音楽を聴いているときの私の経験を説明するのか、という問いです。「ああ、それは転調したからだよ」と言われるとき、音楽を聴いて感じたことがたしかに説明されたように思われるが、それはなぜなのか。第二に、楽曲の説明を読んだ後の音楽聴取は確かに以前と異なっているのだが、それは何が変化したのだろうか、という問いです。例えば、耳を傾ける部分が変化する、というように言いたくなるのですが、それは具体的にどういう変化なのでしょうか。整合的で説得力ある答えを打ち出したいと願っています。

3.音楽教育学で用いられる諸概念の検討

 上記の研究を踏まえつつ、音楽教育学で用いられる諸概念を哲学的、歴史的に研究しています。例えば、鑑賞領域で使われる「感覚」、「知覚」、「認知」とは具体的にどう異なる処理過程なのでしょうか。音楽が「わかる」とはどういうことなのでしょうか。「他国の音楽文化を尊重する」とはどういうことなのでしょうか。こうした問いは、音楽教育学の語りや思考そのものを再構築するものでもあります。実践に応用できるような、生産的検討を行いたいと考えています。

4.生存学と身体化された音楽認知

 音楽に合わせて踊ること、音楽を介して繋がりあうこと、共同で音楽を奏でること、そうした風景を「身体化された音楽認知(embodied music cognition)」論の観点から研究することを試みています。とりわけ、身体の不和あるいは異なりをもつ身体や、「障老病異」を描きこむことで、包括的な音楽認知論と生のあり方に新たな視点を提示することができると考えています。

5.興味・関心をもっていること

・サウンドアート、サウンドデザイン
・音の存在論、音の知覚、音の文化論
・人工物の美学と存在論

専門分野
:音楽美学、音楽哲学、分析美学
指導可能な分野
:美学芸術学、音楽文化論、音楽教育学、哲学

研究分野

 
 

経歴

 
2018年4月
 - 
現在
立命館大学 先端総合学術研究科 研究指導助手
 
2017年4月
 - 
現在
立命館大学 先端総合学術研究科 授業担当講師
 
2016年4月
 - 
現在
立命館大学 先端総合学術研究科 日本語論文指導スタッフ
 
2015年4月
 - 
現在
立命館大学 衣笠総合研究機構 生存学研究センター 客員研究員
 
2014年6月
 - 
2015年3月
立命館大学 衣笠総合研究機構 客員研究員
 

学歴

 
2011年4月
 - 
2014年3月
立命館大学大学院 先端総合学術研究科 
 
2008年4月
 - 
2011年3月
上越教育大学大学院 学校教育研究科 芸術系コース(音楽)
 
2006年4月
 - 
2008年3月
東北大学大学院 情報科学研究科 
 
2000年4月
 - 
2006年3月
慶應義塾大学 文学部 
 

委員歴

 
2018年4月
 - 
現在
美学会  幹事(web担当)
 
2017年
   
 
美学会  西部会第316回研究発表会 当番校幹事
 
2016年4月
 - 
現在
『関西美学音楽学論叢』  編集委員
 
2015年1月
   
 
立命館大学先端総合学術研究科WS「踏みとどまる思考――『動きすぎてはいけない』を読む」(登壇者:千葉雅也氏、山口尚氏)  オーガナイザー
 

論文

 
ロジャー・スクルートンの音楽知覚論――アクースマティック、美的理解、想像的知覚
田邉 健太郎
『音楽表現学』   16 21-30   2018年11月   [査読有り]
分析美学における音楽の存在論は何をどのように論じているのか
田邉 健太郎
『ポピュラー音楽研究』   21 35-43   2018年3月
Musical Works as ‘Indicated Type’: Jerrold Levinson on the Ontology of Music
田邉 健太郎
Aesthetics   19 78-87   2015年   [査読有り]

Misc

 
(書評)ノエル・キャロル『批評について』(森功次訳、勁草書房、2017)
田邉 健太郎
図書新聞   (3341) 3   2018年2月   [依頼有り]
田邉 健太郎
立命館大学生存学研究センター 研究の現場      2016年9月   [依頼有り]
田邉 健太郎
分析美学は加速する: 美と芸術の哲学を駆けめぐるブックマップ最新版      2015年9月   [依頼有り]
田邉 健太郎
日本音楽学会西日本支部通信   第7号 18   2014年9月   [依頼有り]

講演・口頭発表等

 
音楽学から見た分析美学の「表出」論争
田邉 健太郎
科学基礎論学会 2018年度研究例会   2018年11月10日   
Reconsidering the Methodology of Ontology of Music: An Interdisciplinary Dialogue between Ontology and Musicology
Kentaro Tanabe
Engaging the Contemporary 2018: RECONFIGURING THE AESTHETIC   2018年11月1日   University of Malta
「アクースマティック」に着目した二つの音楽聴取論について――ピエール・シェフェールとロジャー・スクルートン
田邉 健太郎
日本音楽表現学会第16回(折り鶴)大会   2018年6月10日   
GTTMは分析者の何をどのように記述したものだろうか――内観主義と知覚主義の対立について
田邉 健太郎
日本音楽学会第68回全国大会   2017年10月29日   
条件付き連鎖主義の意義と課題ーージェロルド・レヴィンソン『瞬間の中の音楽』の批判的検討
田邉 健太郎
第68回美学会全国大会   2017年10月7日