講演・口頭発表等

ナトリウム冷却型高速炉の原子炉容器内観察・補修技術の開発,4-4; 炉内干渉物によるルースパーツの影響評価

日本原子力学会2010年春の年会
  • 川原 啓孝
  • ,
  • 高松 操
  • ,
  • 山本 雅也
  • ,
  • 富田 悦夫

開催年月日
2010年3月
記述言語
日本語
会議種別
開催地
水戸
国・地域
日本

「常陽」では、炉容器内の観察結果より、MARICO-2試料部のハンドリングヘッドとラッパ管継ぎ手を接続する固定ピン6本がルースパーツとなったことを確認した。ルースパーツである当該固定ピンは、その寸法・形状より、炉心構成要素内に落下した場合にあっても、炉心の安全性に影響を与えない位置に留まる。したがって、固定ピンが炉容器内で浮き上がり、炉容器外へ流出する可能性を確認するため、固定ピンの炉容器内の挙動を評価した。固定ピンを浮き上がらせるのに必要な冷却材上昇速度を理論式により算出し、水流動試験により、その評価値の妥当性を確認した。また、炉容器内の冷却材の流況は、解析コードAQUAの3次元モデルで解析し評価した。その結果、固定ピンを浮き上がらせるのに必要な冷却材上昇速度約1.0m/sに対し、解析で得られた炉内ラック近傍から炉容器出口配管までの流速は十分小さいことが確認できた。以上から、固定ピンが炉容器内の冷却材流動により浮き上がり、炉容器外へ流出し、冷却系機器に影響を与えることはなく、原子炉の安全性に問題がないことを確認した。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5023340