2018年4月 - 2021年3月
横紋筋肉腫における血管新生制御因子Vasohibin2の機能解析と新規治療法開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
αチューブリン脱チロシン化酵素VASH2を高発現している胞巣型横紋筋肉腫細胞株RH30を用いて、siRNAによりVASH2の発現をノックダウンした状況に応答して発現量が変化する遺伝子を次世代シーケンサーによるRNA-Seq解析を行った。その結果、サイトカインのシグナル伝達制御、リボヌクレオタンパク質、免疫応答に関わる因子群の変動が検出された。そのうち横紋筋肉腫において高率に活性化することが報告されているPKCファミリーの発現変動は、リアルタイムPCR法でも確認することが出来た。また、前年度アフィニティー精製と質量分析により同定した細胞骨格関連因子のクローニングを行い、VASH2-SVBP複合体との結合を生化学的手法で確認したが、直接的な結合は確認されなかった。
RH30とそのVASH2欠損細胞株(VASH2KO)をヌードマウスへの皮下移植実験を行い、形成された腫瘍組織内の変化を比較した。親株由来の腫瘍組織では、TUNEL染色陽性のアポトーシス領域が広範囲に確認され、腫瘍内に多くの血管が確認されるものの血管周囲はピモニダゾール陽性の低酸素状態だった。一方、VASH2KOの腫瘍組織は、親株と比してアポトーシス領域が顕著に減少しており、腫瘍内の血管周囲の低酸素状態が改善されていることが確認された。親株とVASH2KOの間で、血管安定化の指標の一つであるペリサイトの被覆状態に大きな違いは確認されなかった。また、in vivo移植実験に応用するために、ルシフェラーゼ遺伝子を導入したRH30細胞株を新たに作出した。ヌードマウスに移植したところ、ルシフェリンを腹腔内に投与することでルシフェラーゼ活性を検出することで腫瘍形成過程を経時的にモニタリングできる実験系を確立した。
RH30とそのVASH2欠損細胞株(VASH2KO)をヌードマウスへの皮下移植実験を行い、形成された腫瘍組織内の変化を比較した。親株由来の腫瘍組織では、TUNEL染色陽性のアポトーシス領域が広範囲に確認され、腫瘍内に多くの血管が確認されるものの血管周囲はピモニダゾール陽性の低酸素状態だった。一方、VASH2KOの腫瘍組織は、親株と比してアポトーシス領域が顕著に減少しており、腫瘍内の血管周囲の低酸素状態が改善されていることが確認された。親株とVASH2KOの間で、血管安定化の指標の一つであるペリサイトの被覆状態に大きな違いは確認されなかった。また、in vivo移植実験に応用するために、ルシフェラーゼ遺伝子を導入したRH30細胞株を新たに作出した。ヌードマウスに移植したところ、ルシフェリンを腹腔内に投与することでルシフェラーゼ活性を検出することで腫瘍形成過程を経時的にモニタリングできる実験系を確立した。
- リンク情報
- ID情報
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- 課題番号 : 18K07812
- 体系的課題番号 : JP18K07812