基本情報

所属
国立陽明交通大学 社会と文化研究科 助理教授
学位
博士(東京大学総合文化研究科国際社会科学専攻)

連絡先
yahsun.channycu.edu.tw
通称等の別名
詹亞訓
J-GLOBAL ID
202001009809765559
researchmap会員ID
R000001638

外部リンク

2023年まで、私は「社会問題と帝国問題が絡み合った知識形態のもとで、民衆の政治的主体化の構想がどのように変遷したか」を主軸に据え、(非)領土化・(non)territorializationの観点から、1896年から1927年にかけての日本と台湾における(1)社会問題と帝国問題の問題化、(2)帝国・国家・社会改造思想、(3)植民地改造思想を分析してきました。具体的には、幸徳秋水と浮田和民、吉野作造、大杉栄、山川均、林呈禄、連温卿、范本梁といった人物を取り上げ、自由憲政思想と議会請願運動、社会主義・アナーキズムの思想と行動を論じていました。研究の成果は、論文集の『帝國與文明(II)』、学術ジャーナルの『相関社会科学』、Journal of Northeast Asian HistoryRouter: A Journal of Cultural Studiesに掲載されています。

現在は「日本政治思想の食糧問題とファシズム問題」(Rice Crisis and the Question of Fascism in Japanese Political Thought)を題に研究をしています。

食糧危機と昭和農業恐慌を背景に、「米糧問題とファシズム問題の絡み合い」という知識形態に焦点を当てて、1927年から1937年までのあいだに形成した米とファシズムをめぐる言説を扱っています。近年のグローバルなファシズムの復権をめぐる批判、日本資本主義論、大衆独裁論などの議論を踏まえ、糧食資源の側面から日本マルクス主義の政治理論、新カント主義からマルクス主義に接近した言説、国家社会主義、アナーキズムなど、マルクス主義とその周辺に関連する言説における米とファシズムの思想的関係性を論じています。さらには、山川均、猪俣津南雄、平野義太郎、赤松克麿、戸坂潤、埴谷雄高らの議論を取り上げ、その中で浮かび上がった政治的主体化のダイナミズムを論理的に析出したい。

研究の構成は概ねに2つのテーマ:(1) ファシズム問題と民衆の政治的主体化、(2) 米糧問題と飯米主権の民衆的条件、に分かれています。議論の詳細は以下の3段階に分けて進められています:(a) 米騒動後の帝国主義と農業恐慌、(b) ファシズムの「超国家」と民衆構想、(c) 貧農飯米と帝国改造思想。政治的主体としての「民衆」が中心に据えた社会・国家・帝国の改造をめぐる議論は特に注目され、「領土化の重層的ダイナミズム」(multi-dynamics of territorialization)によって体系的に検討されています。


主要な受賞

  10

主要な論文

  5

主要な講演・口頭発表等

  18

主要な書籍等出版物

  5

主要な担当経験のある科目(授業)

  2

主要な所属学協会

  3

共同研究・競争的資金等の研究課題

  1

主要な学術貢献活動

  8

社会貢献活動

  1