2020年4月 - 2023年3月
NKG2Dリガンド多型のメンデル無作為化解析によるガン発症の因果解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
2020年度に発見した、MICAなどのDS(danger signal)とがんやその他疾患との関係性について、共同研究先の国立がん研究センター多目的コホート研究の独立したデータを利用してメンデル無作為化解析(MR)を行った。その解析結果と、2020年度までに得られた結果を総合すると、少なくとも今回調べたDSのうちの1つであるMICA遺伝子の発現量は、バセドウ病等の自己免疫疾患と有意な関連があり、MICA発現量の低下が原因となってバセドウ病リスクが上昇する可能性が示唆された。これらの結果は専門誌に採択されオープンアクセス論文として公開された(Sutoh, Y. et al. Thyroid, 2022)。あわせて岩手医科大学いわて東北メディカル・メガバンク機構ウェブサイト等で一般向け解説文書を公開した。
一方で、今回解析した住民データでは、多くのがんの既往が1%未満であり、多いものでも乳がんの1.6%、大腸がんの1.4%ほどであった。このため、これ以外の大半のがんでは、検出力が不足していた可能性がある。一般に、頻度が少ない疾患における因果効果を確実に検出するためには、検体数を増加させ、検出力を増やす必要がある。アウトカムデータはすでに4万人超のデータであるため、暴露要因側について、当初の計画通り、新たな遺伝子発現データを取得し、検体数を増やす準備を進めている。前向きコホート研究である東北メディカル・メガバンク計画の岩手県参加者から提供された末梢血単核球のうち、遺伝子発現データが未取得の検体を対象として、予定数の検体を選定した。一部検体については、トランスクリプトーム情報の取得に向けてすでに検体処理を開始している。
一方で、今回解析した住民データでは、多くのがんの既往が1%未満であり、多いものでも乳がんの1.6%、大腸がんの1.4%ほどであった。このため、これ以外の大半のがんでは、検出力が不足していた可能性がある。一般に、頻度が少ない疾患における因果効果を確実に検出するためには、検体数を増加させ、検出力を増やす必要がある。アウトカムデータはすでに4万人超のデータであるため、暴露要因側について、当初の計画通り、新たな遺伝子発現データを取得し、検体数を増やす準備を進めている。前向きコホート研究である東北メディカル・メガバンク計画の岩手県参加者から提供された末梢血単核球のうち、遺伝子発現データが未取得の検体を対象として、予定数の検体を選定した。一部検体については、トランスクリプトーム情報の取得に向けてすでに検体処理を開始している。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K10509
- 体系的課題番号 : JP20K10509
この研究課題の成果一覧
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論文
1-
Thyroid : official journal of the American Thyroid Association 32(2) 188-195 2022年2月 査読有り筆頭著者責任著者
講演・口頭発表等
1-
The American Society of Human Genetics 71st Annual Meeting 2022年10月25日