講演・口頭発表等

アルカリ条件下において変質したベントナイト系緩衝材の透水係数評価手法の開発

日本原子力学会バックエンド部会第31回バックエンド夏期セミナー
  • 澤口 拓磨
  • ,
  • 塚田 学
  • ,
  • 向井 雅之
  • ,
  • 山口 徹治

開催年月日
2015年8月
記述言語
日本語
会議種別
開催地
旭川
国・地域
日本

高レベル放射性廃棄物の地層処分システムにおいては、セメント系材料に起因するアルカリ成分によってベントナイト系緩衝材が長期的に変質し、その止水性に影響を及ぼす可能性が指摘されている。本研究では、ベントナイトの変質に伴い変化する透水係数を評価するため、未変質のベントナイト圧縮体(有効モンモリロナイト密度$\rho$$_{m}$: 800kg/m$^{3}$程度)およびアルカリ変質させたベントナイト圧縮体($\rho$$_{m}$=0$\sim$720kg/m$^{3}$)へイオン強度0.01$\sim$1.0mol/LのNaCl溶液を40$^{\circ}$Cで通水させる透水試験を実施した。その結果、未変質試料では、イオン強度0.01mol/L, 1.0mol/Lの溶液に対して透水係数はそれぞれ1.4$\times$10$^{-12}$m/s, 1.5$\times$10$^{-10}$m/sとなり、2桁の差がみられたのに対し、$\rho$$_{m}$=0kg/m$^{3}$付近の試料では、全てのイオン強度溶液に対して透水係数は(2.0$\sim$2.6)$\times$10$^{-8}$m/sとほぼ一定になった。これは、$\rho$$_{m}$が低下するに従い、透水係数は上昇するが、そのイオン強度依存性は小さくなることを示している。しかしながら、モンモリロナイトが比較的多く残っており、上記イオン強度が確認される条件($\rho$$_{m}$$\geq$300kg/m$^{3}$)であっても、同一試料に対するイオン強度0.01mol/Lと0.1mol/L溶液の透水係数の値には差が確認されなかった。さらに、これらの結果を踏まえて既往のベントナイト透水係数評価モデルの適用範囲の明確化および改良を行った。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5052260