2011年8月
ベントナイト含有量及び間隙水塩濃度の変化に伴うセレン拡散挙動の変動に関する実験及びモデル化研究
Journal of Nuclear Science and Technology
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- 巻
- 48
- 号
- 8
- 開始ページ
- 1170
- 終了ページ
- 1183
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- DOI
- 10.3327/jnst.48.1170
- 出版者・発行元
- Atomic Energy Society of Japan
ベントナイト系緩衝材中のセレンの拡散挙動を評価するため、拡散挙動におよぼす地下水条件の影響及びベントナイト変質の影響を実験的に取得し、拡散挙動のモデル化を行った。ベントナイト含有量及び溶液組成を変化させた条件下で、還元環境下及び低酸素濃度環境下においてセレンの有効拡散係数を透過拡散法によって取得した。支配的な拡散種は、還元環境下ではHSe$^{-}$、低酸素環境下ではSeO$_{3}$$^{2-}$であった。得られた拡散係数は、ベントナイト含有量の減少及び溶液の塩濃度の増加に伴って増加した。この拡散係数の傾向は、ベントナイト表面負電荷による陰イオン排除効果によるものである。われわれは、電気二重層理論に基づいて間隙水中元素濃度勾配を見積もり、細孔拡散モデルに基づいて間隙中の拡散係数を算出する拡散モデルを構築した。モデルにより計算された有効拡散係数は、実験値と良い一致を示した。本研究により、緩衝材の変質及び地下水組成の変化に伴い変動する緩衝材中のセレンの拡散係数を実験的に取得できたとともに、処分環境における拡散係数の変動を評価するためのモデルを構築することができた。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.3327/jnst.48.1170
- ISSN : 0022-3131
- CiNii Articles ID : 10029130366
- CiNii Books ID : AA00703720