2016年
京都市周辺域の浸水被害確率マップの作成
水文・水資源学会研究発表会要旨集
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- 巻
- 29
- 号
- 開始ページ
- 104
- 終了ページ
- 104
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11520/jshwr.29.0_104
- 出版者・発行元
- 水文・水資源学会
これまで多くの自治体でハザードマップが作成・公表され,避難計画や土地利用計画に活かされてきた.ハザードマップを経済的資産への影響評価や風水災保険の設計等につなげるためには,ハザードの発生確率に加えて経済的リスクの空間分布を示すことが重要となる.そこで本研究では,淀川流域の京都市周辺域を対象とし,地域内の各地点で浸水被害額の再現期間を示した浸水被害確率マップを作成した.浸水被害額の再現期間を推定する方法として,田中ら(2016)は降雨の時空間分布を考慮して年最大浸水被害額の超過確率(浸水リスクカーブ)を作成する手法を開発した.本研究では,浸水リスクカーブ作成手法を各地点の資産に適用し,各地点で浸水リスクカーブを描くことで任意の再現期間に対応する浸水被害確率マップを作成した.作成したマップを資産分布と比較し,京都市周辺域では資産の大きい地域の越水氾濫リスクが非常に小さいことを示した. ただし,一部の地域では浸水頻度の高い地域に比較的資産が集中し,高い浸水リスクを示していた.浸水被害確率マップは,洪水・浸水事象の発生頻度と暴露資産との組み合わせで決定する浸水リスクの空間分布を定量的に示し,越水氾濫の発生確率だけでなくそれによる経済的被害が危惧される地域を明確にした.
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- ID情報
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- DOI : 10.11520/jshwr.29.0_104
- CiNii Articles ID : 130005175934