自然界の植物表層には目に見えない様々な微生物が生息しており,そこには,様々な生物間相互作用が存在する.メタン,メタノール,ホルムアルデヒドなどのC_1化合物を利用するC_1微生物と植物の間には深い関係があることがあることがわかってきた.例えば,メタノール資化性細菌では,植物葉上に存在するメタノールを利用するばかりでなく,植物に対する生育促進効果をもたらすことによる相利共生が知られている.本稿では,このような植物圏で繰り広げられる植物-微生物相互作用とC_1化合物を中心とする炭素循環,多様な生物の生理とそれによって形成される生態について,生化学・分子細胞生物学の立場から理解し,これを模倣することによって今後の展開が期待される応用技術開発研究の一端について紹介する.