講演・口頭発表等

格納容器ベントに伴う気体状ヨウ素の放出に係わる解析的検討

日本原子力学会2014年春の年会
  • 石川 淳
  • ,
  • 川口 賢司
  • ,
  • 丸山 結

開催年月日
2014年3月
記述言語
日本語
会議種別
開催地
東京
国・地域
日本

福島第一原子力発電所事故後の環境モニタリングにおいて、大気からサンプリングされたヨウ素に占める気体状の割合が高い結果が得られている。シビアアクシデント(SA)解析コードを用いた既存評価では、ヨウ素の化学形として常温で粒子状のCsIを仮定するのが一般的だが、解析結果がサンプリング結果と整合せず課題となっている。原子力機構では、SA解析コードTHALES2及びヨウ素化学計算コードKicheの連携解析手法を、福島第一原子力発電所事故3号機に適用し、既存評価では考慮していない気体状ヨウ素(I$_{2}$及び有機ヨウ素)の再放出挙動に関わる検討を実施した。本解析からサプレッションチャンバー(S/C)のpHは、CsOHの液相への移行が支配的となり、炉心損傷後は8程度で推移すること、ヨウ素化学を考慮しない従来評価では、効果的なプールスクラビングによってS/C外部へのCsIの放出が抑制されるが、ヨウ素化学を考慮した場合、一般的に気体状ヨウ素の生成が少ないと考えられている塩基性条件下でも、S/Cベントに伴って生じる気液二相流によりI$_{2}$及び有機ヨウ素が気相中に移行し、格納容器外への放出が継続することが示された。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5044834