2015年6月
高レベル濃縮廃液中硝酸塩の熱分解に伴う窒素酸化物発生挙動
日本原子力学会和文論文誌
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- 巻
- 14
- 号
- 2
- 開始ページ
- 86
- 終了ページ
- 94
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.3327/taesj.J14.001
再処理施設における高レベル濃縮廃液(HALW)の蒸発乾固事故により放射性物質が放出されるおそれがある。特に、揮発性の高いルテニウム(Ru)はHALW貯槽から外部へ放出される可能性がある。また、放射性物質の放出とともに、HALW中の硝酸塩の熱分解によって窒素酸化物(NOx)も発生する。発生したNOxは揮発性Ruの放出に対する物理的な駆動力として作用するだけでなく、揮発性Ruとの酸化還元反応による揮発性Ruの分解及び生成に影響を与える可能性もある。本研究では、600$^{\circ}$Cまで模擬廃液を加熱し、NOxの発生に関するデータを取得した。模擬廃液乾固物からのNOxの発生は、200$^{\circ}$C以上で顕著となり約600$^{\circ}$Cまで継続し、約340$^{\circ}$C付近で最大となることが分かった。さらに、各ランタノイド元素の硝酸塩は模擬廃液中の様にそれらが共存する場合にはほぼ同じ温度にて同時に熱分解を生じること、Ruの硝酸塩が熱分解することで生じるRu酸化物はランタノイド元素の硝酸塩の熱分解温度を低温側に遷移させることを示唆する結果を得た。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.3327/taesj.J14.001
- ISSN : 1347-2879