論文

査読有り
2021年3月

レベル3PRA手法を用いた原子力緊急事態における防護措置戦略の計画のための評価手法の開発

Journal of Nuclear Science and Technology
  • 木村 仁宣
  • ,
  • 小栗 朋美*
  • ,
  • 石川 淳
  • ,
  • 宗像 雅広

58
3
開始ページ
278
終了ページ
291
記述言語
英語
掲載種別
DOI
10.1080/00223131.2020.1820914

原子力事故時の緊急時計画策定に資するため、レベル3PRAコードOSCAARを用いた緊急防護措置戦略の評価手法を開発した。OSCAARは、与えられた事故シナリオに対し、事故の初期段階に受ける被ばく線量を計算し、避難、屋内退避、安定ヨウ素剤の服用といった緊急防護措置の実施による被ばく低減効果を評価できる。本研究では、ある事故シナリオに対し、予防的防護措置を準備する区域(PAZ)及び緊急防護措置を準備する区域(UPZ)での緊急防護措置の組み合わせを検討し、これら防護措置を実施した際の被ばく線量をOSCAARで計算した。その後、OSCAARの防護措置モデルに対する感度解析を行い、国際原子力機関(IAEA)の包括的判断基準を下回る被ばく線量に低減させることで防護措置戦略を最適化した。結果として、PAZ内では予防的避難、UPZ内では屋内避難後に避難、コンクリート家屋または一般家屋での屋内退避、安定ヨウ素剤の服用を組み合わせることで、効果的な緊急防護措置戦略を策定することができた。本手法は、事故シナリオに応じた効果的な緊急防護戦略を策定する上で非常に有用である。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.1080/00223131.2020.1820914
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5067079
ID情報
  • DOI : 10.1080/00223131.2020.1820914
  • ISSN : 0022-3131

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