2018年3月
米国における重度認知機能障害児の通常教育カリキュラムへのアクセスの実際―代替達成スタンダードと それに基づく教材システム例の検討―
筑波大学特別支援教育研究
- 巻
- 12
- 号
- 開始ページ
- 9
- 終了ページ
- 22
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 出版者・発行元
- 筑波大学特別支援教育研究センター
本稿では、米国における重度認知機能障害児の通常カリキュラムへのアクセスを保障する仕組みの一つである、代替達成スタンダード(DLM本質要素)と重度認知機能障害児向けカリキュラム(ULS)を事例に、重度認知機能障害児の学びと社会参加を保障するカリキュラムのあり方を考察した。DLMとULSでは、CCSS及びDLMEEによって、各学年で達成すべき学習内容が明示され、その基準に即して、ULSが具体的な教材単元を配列し、その単元内で、支援の必要度に応じた3つの学習レベルで、具体的な目標設定と指導が行われていた。なお、米国の各教科の達成スタンダードによる成績説明責任システム下においても、重度認知機能障害児の教育における生活指導の重要性には変わりがなかった。我が国の教育課程の改善においても、知的障害教育教科の特長である「生活とのつながり」を失わない工夫が必要であることが示唆された。
- ID情報
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- ISSN : 1883-924X