論文

査読有り
2021年1月

熱分解にともなう重量減少とガス放出の一貫したモデリング及びそのベンチマークテストの実施; ポリメチルメタクリレートなどのグローブボックスパネル材料での事例

PLOS ONE (Internet)
  • 大野 卓也
  • ,
  • 田代 信介
  • ,
  • 天野 祐希
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  • 吉田 尚生
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  • 吉田 涼一朗
  • ,
  • 阿部 仁

16
1
開始ページ
e0245303\_1
終了ページ
e0245303\_16
記述言語
英語
掲載種別
研究論文(学術雑誌)
DOI
10.1371/journal.pone.0245303

火災時に原子力施設から漏れる放射性物質の量を評価する際には、グローブボックスの閉じ込め機能がどのように失われるかを考慮する必要がある。その一環として、この研究では、炎からの入熱によるグローブボックス材料の重量減少とそれに伴う熱分解ガスの放出を一貫して評価するモデルの構築を試みた。材料の重量減少はグローブボックスの壁材の減肉を示唆しており、熱分解ガスの放出は延焼が発生する可能性を示唆する。本研究では研究対象をグローブボックスパネルとして使用されるポリメチルメタクリレート(PMMA)とした。PMMAの熱重量分析では、熱分解による重量減少を予測するアレニウス式に代入するパラメーターを決定した。ここでは、PMMAの熱分解挙動が3つのステージに区分され、それぞれ62kJ/mol, 250kJ/mol、および265kJ/molの活性化エネルギーが導出された。また、ガス組成の定量分析により、PMMAから放出される熱分解ガスの組成は100\%メタクリル酸メチルとして近似できることが明らかになった。この結果は、メタクリル酸メチルの放出量を上述のアレニウス式により推定できることを示唆する。このようなガス放出量の推定モデルの妥当性を確認するために、密封容器試験を実施した。この試験では、封入した材料が熱分解していくに従い容器内のガス分子の数が増加していく様を、内圧の変化を測定することで観察した。観察されたガス分子の増加挙動はアレニウスの式から推定されたものと同様であり、我々のモデルの有効性を示した。さらに、比較のためにビスフェノールAポリカーボネート(PC)についても同様の試験を実行した。PCの場合、密封容器試験で観察されるガス分子の数はモデルによる推定値よりも多くなる傾向が見られた。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0245303
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5070636
ID情報
  • DOI : 10.1371/journal.pone.0245303
  • ISSN : 1932-6203
  • eISSN : 1932-6203

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