論文

査読有り
2020年1月

再処理施設でのセル内火災事故における高性能微粒子除去フィルタ(HEPAフィルタ)の急速目詰まり

Nuclear Technology
  • 大野 卓也
  • ,
  • 田代 信介
  • ,
  • 天野 祐希
  • ,
  • 吉田 涼一朗
  • ,
  • 阿部 仁

206
1
開始ページ
40
終了ページ
47
記述言語
英語
掲載種別
DOI
10.1080/00295450.2019.1620057

再処理施設におけるセル内溶媒火災事故は、近年の日本の規制基準において注目されている事象である。本研究では、再処理施設の換気系を模した試験系でリン酸トリブチル/ドデカン混合溶媒を燃焼させ、発生したエアロゾルをHEPAフィルタに負荷させた。その結果、ドデカンが混合溶媒中から焼失した後にフィルタ差圧が急激に上昇する現象が確認された。我々は、この現象を急速目詰まりと呼び、ドデカン焼失に起因する現象であると考えている。急速目詰まりとドデカン焼失の関係を把握することは、再処理施設における規制基準の構築にとって有用であると思われる。また、エアロゾルの分析結果からは、急速目詰まりが生じている間に生成されたエアロゾルは、粒径が大きく、未燃溶媒成分に富んでいることが明らかになった。これらの結果より、急速目詰まりの原因は、未燃溶媒の放出又は未燃溶媒蒸気と煤煙の相互作用によるものであると考えられる。総じて、この研究が示唆するところによると、火災事故時においてはこれまで予想されてきたよりも急速に換気系フィルタの目詰まりが進行する可能性があるといえる。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.1080/00295450.2019.1620057
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5064885
ID情報
  • DOI : 10.1080/00295450.2019.1620057
  • ISSN : 0029-5450

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