共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2024年3月

日本海溝のゆっくりすべりイベントは海溝軸まで達するか?

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
19H00708
体系的課題番号
JP19H00708
配分額
(総額)
44,980,000円
(直接経費)
34,600,000円
(間接経費)
10,380,000円

本研究は,海溝型地震の巨大化の鍵を握るプレート境界の浅部(海溝軸に近く,断層の海底面からの深さがごく浅い領域)に注目し,日本海溝北部で近年発見された自発的・周期的スロースリップ(断層のゆっくりとしたすべり現象)がそこで発生していることを実証しようとするものである.具体的には,日本海溝北部のプレート境界浅部の直上の深海底において,地殻変動ならびに広帯域地震の長期観測を実施し,スロースリップに伴う地殻変動とすべりの加速に同期する多様な低周波地震波放射イベントの活発化を捉えることにより,スロースリップの発生範囲を特定する.さらに,先行研究の地震波海底下構造探査で明らかにされたプレート境界浅部における物性の空間変化の情報と,本研究であきらかにされるスロースリップの発生範囲をもとに,自発的・周期的スロースリップの発生メカニズムをモデル化する.本研究を開始した後,上記の計画を包含するより大きな研究課題として申請していた基盤研究(S)「巨大地震の裏側~巨大化させないメカニズム」が採択されたため,本研究課題は廃止となり,予定していた研究内容は基盤研究(S)の中で実施されることとなった.
廃止までの間に,本研究で実施予定であった海底観測の実現に向けて,地震および地殻変動観測の拠点となる海域と観測点配置の選定を行うとともに,観測に必要な電池などの消耗品の調達ならびに機材整備をすすめ,長期観測を開始することができた.また,過去に実施された海底地震,地殻変動観測データからスロースリップやそれに伴う低周波地震波放射イベントの検知手法の開発を実施した.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19H00708
ID情報
  • 課題番号 : 19H00708
  • 体系的課題番号 : JP19H00708

この研究課題の成果一覧

論文

  1