2018年4月 - 2022年3月
ユニバーサル社会に向けた音による情報伝達に関する統合的研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
防災放送において、聴取者に緊迫感を与えるためのアナウンスを実現するための訓練システムを作成することが大きな目標の一つである。本年度は訓練用のソフトのひな型を作成することができた。また、教示語によってアナウンスの印象がどのように変わるかの検証実験を行った。危険を感じさせる言葉を無意味語に置き換えることで、言葉そのものから受ける緊迫感のバイアスを除外することを試みた。そのうえで教示語をただ「大きく」「高く」のような物理的次元での教示ではなく、「高圧的に」や「訴えるように」といった演技指導を行うときのような感情を示す言葉を用いた。「焦って」、「叫ぶように」、「危機感をもって」といった教示が比較的有効であることが示された。教示語の種類と与え方を昨年度までのものからさらに種類を増やすことで、防災放送の訓練システムの基礎となる部分を構築しつつある。
本年度は防災放送の聴こえの状況を市民参加型で取得できるiPhoneアプリを開発した。これを用いて、放送の聴こえの状況及び、暗騒音の騒音レベルの測定と騒音の不快感調査を行うことができた。また、指定避難所3箇所を対象として、音声の聴こえ調査(単語了解度試験)を行った。体育館のような残響過多な場所では、高齢者は災害時の音声情報の取得が困難となる。今回の結果においても、高齢者は若齢参加者に比べて音声放送が聴こえにくい状況であることが判明した。
空間認知を支援するサイン音については本年度は主にハードウエアの改善を行った。昨年度までのスピーカでは回折板とスピーカボックスの間に隙間ができてしまっていた。また、回折板内側の反射によって直接音と干渉が生じること明らかになった。そのため想定外の音圧変化が生じた。本年度はスピーカボックスと回折板の形状を改良し、想定に近い音圧分布の得られるスピーカを作成することができた。
本年度は防災放送の聴こえの状況を市民参加型で取得できるiPhoneアプリを開発した。これを用いて、放送の聴こえの状況及び、暗騒音の騒音レベルの測定と騒音の不快感調査を行うことができた。また、指定避難所3箇所を対象として、音声の聴こえ調査(単語了解度試験)を行った。体育館のような残響過多な場所では、高齢者は災害時の音声情報の取得が困難となる。今回の結果においても、高齢者は若齢参加者に比べて音声放送が聴こえにくい状況であることが判明した。
空間認知を支援するサイン音については本年度は主にハードウエアの改善を行った。昨年度までのスピーカでは回折板とスピーカボックスの間に隙間ができてしまっていた。また、回折板内側の反射によって直接音と干渉が生じること明らかになった。そのため想定外の音圧変化が生じた。本年度はスピーカボックスと回折板の形状を改良し、想定に近い音圧分布の得られるスピーカを作成することができた。
- ID情報
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- 課題番号 : 18H03490
- 体系的課題番号 : JP18H03490
この研究課題の成果一覧
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論文
2-
日本音響学会誌 80(3) 142-146 2024年3月 招待有り最終著者
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日本音響学会講演論文集 2018年8月
MISC
1-
日本音響学会騒音・振動研究会資料 N-2021(46) 1-7 2021年11月 責任著者