共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年 - 2024年

血管壁の恒常性維持と病態形成におけるメカノトランスダクション機序の解明

日本学術振興会  基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
21H02677
体系的課題番号
JP21H02677
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
17,160,000円
(直接経費)
13,200,000円
(間接経費)
3,960,000円
資金種別
競争的資金

高血圧、動脈硬化症、血管狭窄症、大動脈瘤といった血管病態の罹患者数は年々増加傾向にあるが、各疾患の分子病態に基づいた、効果的な治療法の開発には至っていない。血管壁は様々なメカニカルストレス(血圧や血流による血行力学応力)に晒されながら、血管壁の恒常性を維持しており、その制御機構の破綻が血管病態発生の根本原因ではないかと注目されている。本研究は、血管病態発生に起因する根本原理を、メカニカルストレス応答制御の視点から明らかにし、血管壁の恒常性維持と病態形成のメカニズムを理解する。そのため、メカニカルストレス応答を担う細胞外マトリクスThrombospondin-1 (Thbs1)を介した転写調節因子Yes-associated protein(YAP)の制御機構に着眼し、3つ(圧負荷、狭窄、動脈瘤)の血管障害マウスモデルを用いて病態形成の分子メカニズムを、組織-細胞-分子レベルで明らかにする。
本年度は、研究計画(2)に該当する、血管狭窄の分子メカニズムについて重点的に解析を行った。レポーターマウスを用いた内皮細胞の系譜解析において、頸動脈狭窄時の新生内膜が内皮細胞の間葉転換(EndMT)に起因することを明らかにした。また、一般的に白血球マーカーとして知られるCD45が一過性に内皮細胞に発現する事を見出した。このCD45陽性のEndMTは、細胞間接着を維持したまま進行する、部分的な内皮間葉転換(Partial EndMT)であることを明らかにした。さらに、CD45陽性のEndMTは、低酸素によって誘導されることも明らかにしており、内皮細胞特異的にHif1aを欠損させると、新生内膜形成を抑制できる事を明らかにしている。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21H02677
ID情報
  • 課題番号 : 21H02677
  • 体系的課題番号 : JP21H02677