2018年4月 - 2021年3月
次世代シークエンサーによる剥離上皮膜を有する要介護高齢者の口腔と咽頭の細菌叢解析
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
口腔環境毎の口腔と咽頭の細菌叢の全容解明
2018年度は、経口摂取者(経口群)が10名、経管栄養者(経管群)12名について調査を実施した。口蓋、舌背、咽頭後壁の細菌叢を門、属、種レベルで検索した。経管群の口蓋では好気性菌が多く検出され、咽頭では嫌気性菌が少なかった。経管群は開口状態が多いことが影響していると考えられた。経口群の舌では嫌気性菌が多く検出され、舌苔が影響していると考えられた。Neisseria flavescensが経管群と経口群の口蓋・舌・咽頭において上位3位以内の検出率であった。Streptococcus agalactiae (通性嫌気性菌) は経管栄養群のみで検出された。Rothia mucilaginosaは経管群に多く検出されたが、日和見感染菌のため、体力低下・栄養低下により肺炎などを発症するリスクが高いことが示唆された。また経管群において剥離上皮膜が形成された者はされなかった者と比較してStreptococcus agalactiaeとNeisseria flavescensは有意に検出率が高かった。Streptococcus agalactiaeは、口腔および上気道の常在菌であり、細菌性敗血症、髄膜炎、感染性心内膜炎の発症の報告がある。Neisseria flavescensは、口腔、膣および腸に存在する細菌であり、細菌性敗血症、髄膜炎、感染性心内膜炎の報告がある。つまり、経管群はStreptococcus agalactiaeとNeisseria flavescensによる感染リスクを有することが示唆された。
2018年度は、経口摂取者(経口群)が10名、経管栄養者(経管群)12名について調査を実施した。口蓋、舌背、咽頭後壁の細菌叢を門、属、種レベルで検索した。経管群の口蓋では好気性菌が多く検出され、咽頭では嫌気性菌が少なかった。経管群は開口状態が多いことが影響していると考えられた。経口群の舌では嫌気性菌が多く検出され、舌苔が影響していると考えられた。Neisseria flavescensが経管群と経口群の口蓋・舌・咽頭において上位3位以内の検出率であった。Streptococcus agalactiae (通性嫌気性菌) は経管栄養群のみで検出された。Rothia mucilaginosaは経管群に多く検出されたが、日和見感染菌のため、体力低下・栄養低下により肺炎などを発症するリスクが高いことが示唆された。また経管群において剥離上皮膜が形成された者はされなかった者と比較してStreptococcus agalactiaeとNeisseria flavescensは有意に検出率が高かった。Streptococcus agalactiaeは、口腔および上気道の常在菌であり、細菌性敗血症、髄膜炎、感染性心内膜炎の発症の報告がある。Neisseria flavescensは、口腔、膣および腸に存在する細菌であり、細菌性敗血症、髄膜炎、感染性心内膜炎の報告がある。つまり、経管群はStreptococcus agalactiaeとNeisseria flavescensによる感染リスクを有することが示唆された。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K09897
- 体系的課題番号 : JP18K09897