MISC

1999年3月

緩衝材の熱物性試験(2)

JNC TN8430 99-006
  • 鈴木 英明*
  • ,
  • 谷口 航

開始ページ
30
終了ページ
記述言語
日本語
掲載種別
機関テクニカルレポート,技術報告書,プレプリント等

高レベル放射性廃棄物の地層処分における処分場レイアウトのうち、廃棄体の埋設レイアウトは、ニアフィールドの温度,空洞安定性,人工バリアに必要な寸法,地質環境特性などからくる制限や条件を満足し、合理的な処分坑道離間距離および廃棄体ピッチの組み合わせによって設定される。このうち、ニアフィールドの温度については、廃棄体が核種の崩壊により熱を発生するため、ガラス固化体,緩衝材および周辺岩盤の熱的影響の観点から最大上昇温度が制限される。このため、廃棄体埋設レイアウトに関する検討として、処分周辺の温度を把握するために、廃棄体埋設レイアウト,廃棄体の定置方式,処分深度など、種々の条件でのニアフィールド熱解析が行われている。熱解析に必要となる緩衝材の熱物性、すなわち熱伝導率、比熱については、測定手法の開発とともに、緩衝材の密度や水分含有率および温度依存性等に関する研究が進められている。本報告書は、第2次取りまとめにおけるニアフィールド熱解析に用いる緩衝材の熱物性値を整理することを目的に、実験により緩衝材材料の熱物性値を測定し、その結果を取りまとめたものである。実験は、供試体の含水比および測定温度をパラメータとして熱拡散率と熱伝導率の測定を実施し、両者の関係から比熱を求めた。その結果、熱伝導率、比熱ともに供試体の含水比に依存して大きく変化し、比熱については、緩衝材の構成成分から求められる理論的な予測値と良く一致する結果であった。また、これらの熱物性値は90$^{\circ}C$以下の条件では温度による変化は小さいことが分かった。以上のことから、緩衝材の熱伝導率および比熱について緩衝材材料の含水比の関数として定式化を行った。また、人工バリアに生じる隙間対策の一例として用いられることが考えられているパウダー状ベントナイトの熱物性の取得を行ったので合わせて報告する。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?4026481

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