共同研究・競争的資金等の研究課題

2015年10月 - 2016年3月

魏晋南北朝時代における祈雨儀礼の歴史的・思想的研究:中国仏教史における学際的研究の基盤構築を目指して

一般財団法人仏教学術振興会  SAT大蔵経データベースを直接の資料として用いた研究 学術研究部門  

担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
500,000円
(直接経費)
0円
(間接経費)
0円
資金種別
競争的資金

◆研究の目的◆
日本の中国仏教史の研究は、仏教学・歴史学・美術史学・文学・中国哲学などの関わる学際的な領域として知られる。戦中~戦後の研究者たち、とりわけ宗教大学・京都帝国大学に学び仏教学と歴史学を兼学した塚本善隆(1898-1980)や、東方文化学院東京研究所において中国仏教史の研究に従事していた、歴史学の板野長八(1905-1993)や、仏教学の横超慧日(1906-1995)といった人々は、それぞれの立場から思想・歴史の両面を見据えた、すぐれた業績をのこしている。 近年、中国仏教の研究は長足の進歩をとげ、仏教学、東洋史学、美術史学などの領域において多くの研究が世に問われている。だが一方で、近年どの分野にも共通してみられる研究テーマの個別細分化傾向もまた、この分野には顕著に認められる。中国史を専攻する筆者の周囲でも、関連する仏教学の関連業績を参照しないケースが多々見受けられるが、そのような傾向はけして筆者の周囲だけの問題ではない。大正新脩大藏經テキストデータベースの公開によって、中国仏教研究のための基本的なテキストは広く共有されるものとなった。そうした土壌をいかし、様々な立場の研究者が関心を持ちうるような、研究テーマをより多く設定していくことが必要であるように思われる。その一つの試みとして、本研究では、宗教学や文化人類学、東洋史学、仏教学、中国哲学、中国文学などの諸分野で、問題意識を共有しうる祈雨(雨乞い)をとりあげて、その基礎的な考察を行いたいと考えている。魏晋南北朝時代における祈雨儀礼が、いつ、どのような形で、いかなる思想的裏付けのもとに実施されたのかを把握するために、仏教資料(僧伝)と文学資料(書簡文)を対象とした網羅的な整理・分析を実施し、あわせて学史の再検討を行うことで、中国仏教史における新たな学際的研究の場の構築を目指したい。

リンク情報
URL
http://butsugakushin.org/

この研究課題の成果一覧

論文

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講演・口頭発表等

  1