メディア報道

2012年5月

殺菌用活性酸素の生成 白血球たんぱく質が促す 阪大が解明


発行元・放送局
日経産業新聞(朝刊7面)
番組・新聞雑誌名
掲載箇所

人体が侵入した病原菌を退治するさいに、武器となる活性酸素を効率よくつくり続けるための新たな仕組みを大阪大学大学院医学系研究科の藤原祐一郎助教、岡村康司教授らの研究グループが世界で初めて解明した。体温(約37度)以上で効果が発揮される構造になっており、発熱により感染症の進行を防ぐことと関連があるとみられる。免疫を強める薬の開発も期待できる。白血球の一種、好中球は、水素イオンを使って活性酸素をつくり、病原菌を分解する。藤原助教らは、水素イオンの細胞外への通り道となる膜のタンパク質に着目し、研究を重ねた。この結果、タンパク質はらせん状の構造で細胞内まで突き出て伸びていることがわかった。このタンパク質2個が細胞膜内に突き出た部分で互いに絡み合えば水素イオンは放出されず、温度が上がり分離すれば水素イオンがどんどん流れ出て活発に活性酸素が生産される。しかも、その温度は人間の体温と同じ37度前後だった。