岡田 悠汰
基本情報
- 所属
- 東北大学 大学院情報科学研究科 特任研究員
- 独立行政法人日本学術振興会 特別研究員PD
- 学位
-
博士(人間・環境学)(2024年3月 京都大学)
- J-GLOBAL ID
- 202001004052840327
- researchmap会員ID
- R000008446
私の研究は、①20世紀を代表する哲学者マルティン・ハイデガーを中心とした西洋現代哲学の研究を出発点にして、②日本哲学(特に九鬼周造)と間文化哲学(Intercultural Philosophy)、そして③技術哲学への応用という3つの柱からなっています。
私の研究の背後にある大きな問題関心は、否応なく差し迫る現実をどう捉えるべきなのかということにあります。真理や共同体(あるいは共同性)、有限性、偶然性、文化、技術といった私の研究のキーワードはすべてこの関心に関わっています。
私の研究の3つの柱は、以下の研究プロジェクトにつながっています。
① アレーテイア(真理、真性)概念に着目したハイデガーの思索の統一的解釈
② 日本哲学を中心としたハイデガー受容史と間文化哲学の研究
③ 技術哲学におけるハイデガー批判の再検討とハイデガーの技術論の再評価
以下、それぞれについて簡単に紹介していきます。
1、アレーテイア概念に着目したハイデガー解釈
修士課程より、アレーテイア概念に着目したハイデガー研究を行ってきました。
この成果は、博士論文「隠れ―なさと有限性――ハイデガーにおける「真性」と「われわれ」の問題」としてまとめられました。
ハイデガーは、真理を「物事の正しさ」と考えるのではなく、そもそもその「正しさ」を成り立たせている「現れ」を真理と考えています(なので、私はハイデガーのWahrheitという語を「真理」ではなく「真性」と訳すようにしています)。
この発想は、古代ギリシア語で真理に相当する語「アレーテイア」が「隠れなさ」を意味しうるということに由来します。
私の研究の目的は、第一にハイデガー研究として、彼の思索全体をこのアレーテイアの探求として解釈していくことです。
アレーテイア概念に着目することで、前期思索の「実存的」な真理や中期思索の「芸術作品」における真理、そして後期思索の「言葉」や「技術」における真理に至るまでの連続的なモチーフを追跡することができると考えています。
他方で、ハイデガーのアレーテイア概念は問題含みの概念と結びつきます。
それは、特にナチスへの関与が取り沙汰される中期思索における「民族(Volk)」概念です。
ハイデガーは、彼の生涯にわたって探求の対象であった「存在」や「アレーテイア」に関わるわれわれのあり方として「民族」というものを考えています。
この「民族」は、たとえ特定の民族と即座に結びつけられることがないにせよ、アレーテイアに関わる共同体の排他性を意味しうるはずです。
ハイデガーは、存在やアレーテイアに関わるわれわれのあり方がもつ歴史性や固有性を強調する点で、安易なグローバリズムへの批判的な視座を提供する一方で、同時にアレーテイアを共有する共同体の排他性に不可避的につながりうるのではないでしょうか。
この問題意識が、私の研究の第二の柱につながります。
2、日本哲学と間文化哲学の研究
私の研究が目指しているのは、文化間の差異を安易に均一化せずに、文化の固有性を尊重しつつ間文化的な対話を行う道を探ることです。
このために、私はハイデガー哲学と並行して日本哲学の研究をしてきました。
日本哲学は、田辺元、和辻哲郎、九鬼周造をはじめとして、積極的にハイデガーの哲学を受容してきました。
日本哲学を研究することで、ハイデガーの問題意識、およびその思索を、日本という異なる文化圏にいるわれわれが、どのように引き受けることができるのかを考えることができます。
私は、日本哲学の研究を土台にして、ハイデガーのアレーテイア概念の研究を間文化哲学の研究へと発展させていこうと考えています。
現在は、ハイデガーの「言葉」についての思索、とりわけ「沈黙」概念に着目して、間文化的な対話をどのように考えるべきかという問いに取り組んでいます。
この研究は、グローバリゼーションが進む現代における国際交流のあり方を考えることにも寄与できると期待しています。
3、ハイデガーと技術哲学
最近では、ハイデガーの文献研究に基づいて、現代技術の問題に取り組んでいます。
ハイデガーの技術論は、現在に至るまで大きな影響力を持ってきましたが、他方で「悲観的」であるとか「ロマン主義的」であるといった理由で批判の的にもなってきました。
しかし技術哲学におけるハイデガー批判は、文献的な誤解に基づいているため、ハイデガー研究の側からの再反論をする必要があります。
加えてハイデガーの技術論は、その抽象的な印象に反して、現代における技術の問題を照らし出す重要な示唆に富んでいると考えています。
ゆえに、技術哲学の文脈でのハイデガーの技術論の位置づけを再検討することで、現代の技術哲学の議論をより豊かに発展させることを目指しています。
またハイデガーによれば、現代技術の問題は西洋形而上学の歴史と密接に連関しています。
このことを踏まえて、近年ユク・ホイが試みているように、ハイデガーの技術論を正面から受け止めながら、間文化的な視野から技術哲学の問題を考えようとしています。
4、アウトリーチ活動
社会貢献活動の一環として、高校生や一般向けに、わたしの研究をわかりやすく伝える活動を行っております。
哲学を含む人文科学が、わたしたちの社会と実際につながっていることを伝えていきたく考えております。
これまでに京都大学高大連携事業による高校生向けの配信授業、および古典講読サービスThe Five Booksさんでの一般向け読書講座を行ってきました。
研究分野
1経歴
14-
2021年4月 - 現在
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2021年10月 - 2022年3月
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2022年4月 - 2024年3月
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2023年4月 - 2024年3月
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2023年4月 - 現在
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2023年4月 - 現在
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2023年10月 - 2025年3月
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2024年4月 - 現在
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2024年4月 - 現在
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2025年10月 - 2026年3月
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2026年4月 - 現在
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2026年4月 - 現在
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2026年4月 - 現在
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2026年4月 - 現在
学歴
4-
2020年4月 - 2024年3月
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2018年4月 - 2020年3月
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2013年4月 - 2018年3月
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2015年9月 - 2016年7月
委員歴
3-
2024年12月 - 現在
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2023年11月 - 現在
-
2023年9月 - 2023年11月
受賞
3論文
11-
KRITIKE: Online Journal of Philosophy 19(4) 33-39 2026年3月 査読有り
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『求真』 (30) 179-199 2025年12月 査読有り筆頭著者
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『Heidegger-Forum』 (19) 53-66 2025年8月 筆頭著者
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『人間存在論』 (31) 23-35 2025年7月 査読有り筆頭著者
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京都大学大学院博士論文 2024年3月
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『アルケー』 (30) 67-77 2022年6月 査読有り
-
『人間・環境学』 30 47-61 2021年12月 査読有り
-
『人間存在論』 (27) 87-99 2021年7月 査読有り
-
日本哲学会web論集『哲学の門:大学院生研究論集』 (3) 31-43 2021年4月 査読有り
-
Transitions: Crossing Boundaries in Japanese Philosophy 388-401 2021年3月 査読有り
-
京都大学大学院修士学位論文 2020年1月 筆頭著者
MISC
7-
吉備地方文化研究 (36) 153-158 2026年3月 招待有り
-
『エピステモロジー研究』 1 3-10 2025年12月
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『人間存在論』 (31) 1-15 2025年7月
-
関西哲学会年報『アルケー』 (No. 33) 29-31 2025年6月 筆頭著者
-
『存在論のフロンティア:自然・技術・形而上学』 139-164 2025年5月
-
『存在論のフロンティア:自然・技術・形而上学』 29-47 2025年5月
-
『人間存在論』 (27) 21-34 2021年7月
講演・口頭発表等
29-
The 6th International Conference of the Heidegger Circle in Asia Being-in-the-World in the Age of AI 2026年9月18日
-
European Network of Japanese Philosophy 10th Conference 2026年9月5日
-
「ポイエシスとプラクシス」研究会 2026年8月8日 招待有り
-
German-Japanese Heidegger Research Colloquium 2026年7月13日
-
Workshop: Philosophy of Technology from Intercultural perspectives 2026年3月29日
-
The 5th International Conference of Heidegger Circle in Asia 2025年10月18日
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第10回三宅剛一読書会 2025年9月22日
-
日仏哲学会2025年秋季大会連携企画「自然と人為——シモンドン『技術的対象の存在様態について』を読むために」 2025年9月14日
-
European Network of Japanese Philosophy 9th Conference 2025年9月5日
-
International Association for Japanese Philosophy 2025 2025年6月28日
-
Japanese Philosophy and its Auseinandersetzung with Heidegger 2025年3月7日 招待有り
-
京都ヘーゲル読書会令和6年度冬期研究例会 2025年1月13日
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Conference on the History of the Philosophy of Technology 2024年10月28日
-
関西哲学会ワークショップ「形而上学的時間をめぐるトリローグ――九鬼周造・ベルクソン・ハイデガー」 2024年10月13日
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ハイデガー・フォーラム 第19回大会 2024年9月22日
-
European Network of Japanese Philosophy 8th Conference 2024年9月6日
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XXV World Congress of Philosophy Rome 2024 2024年8月7日
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The Comparative and Continental Philosophy Circle The Seventeenth Annual Meeting 2024年6月6日
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京都学派およびポスト京都学派と科学哲学・技術哲学の現在 2024年1月28日 招待有り
-
European Network of Japanese Philosophy 7th Conference 2023年9月7日
所属学協会
7-
2024年 - 現在
-
2022年 - 現在
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2021年 - 現在
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2020年 - 現在
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2019年 - 現在
共同研究・競争的資金等の研究課題
3-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 2024年4月 - 2027年3月
-
Universität Tübingen College of Fellow Intercultural Studiesフェローシップ 2025年10月 - 2026年3月
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費 2022年4月 - 2024年3月
メディア報道
1-
京都新聞 2024年10月18日 新聞・雑誌
社会貢献活動
13